日本の就活で留学生がぶち当たる「高い壁」 なぜ一部の留学生しか日本に残らないのか

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が、それ以前に留学生が共通して直面している悩みは、「どこの会社に応募すべきか」を決めることだ。日本で勉強をするという選択さえ、すでにとてつもない人生の転換点だというのに、その次に何をするかを見極めるのは非常に難しいのだ。日本の言葉や文化、そして生活様式に自分を合わせるのに多くの時間と労力を費やしている留学生がわずか4年後に、人生の新たな決断をするのは容易なことではない。

キャリアセンターでは、レジュメのチェック、アドバイス、説明会や先輩とのネットワークや交流ができる。日本企業のリクルーターの考え方があまり想像できない留学生にとっては、とても有効な場所であると言えよう。特に、化学企業は大学で有力候補者に直接アプローチするので、そうした点においても、キャリアセンターは留学生にとってありがたい。

ここで頼りとなるのが大学側のサポートのはずだが、留学生は一様に「日本の大学からは、十分なサポートがなかった」と話す。特に、いわゆるエリート大学においては、修士号や博士号を取ろうとしている留学生のほうが、就活をしている留学生より優遇されていると感じたという。ほとんどの留学生は、キャリアセンターにおいてどのような種類の支援が提供されているのかどころか、 キャリアセンター自体がどこにあるかも知らなかった。

留学生で情報を共有できていない

前述のキャリアフォーラムは、留学生が仕事を見つける格好の場であるが、大学は留学生にこうした情報を提供していないことが多い。

有名私大に通っていたアレックスさんはこう話す。「就活の過程はとても長く厳しいものにもかかわらず、誰もが何をすればいいのかよくわかっていないように思う。しかも多くの留学生は、内定を受けてからも悩んでいるようだ。就活について役に立つアドバイスをしてくれる先輩もいなければ、学校がその役割を果たしてくれるわけでもない」と話す。

就活は、留学生にとって過酷な戦場だ。就活は日本に根付いたものであり、「留学生がそれに合わせるのが大変だから」という理由だけで変えるべきではない。そうした中でも、文化の違いや言葉の壁などを乗り越えて日本で職を得た留学生は、とても努力家で、情熱にあふれていると言えるだろう。そして、その恩恵を最も受けられるのは 、彼らを採用した企業ではないだろうか。真にインターナショナルでグローバルな人材を日本企業が望むのであれば、優秀な留学生が卒業後も日本にとどまるような仕組みを考え直してみてはどうか。まず、就活中に彼らが宿泊できる場所を提供することが、そのスタートになるかもしれない。

カーベル 笑実 東京大学4年生

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1995年福岡県まれ、イギリス育ち。父はイギリス人、母は日本人。3歳でイギリスに渡り、18歳まで過ごす。2014年に東京大学教養学部国際日本研究に入学。

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