東京の不動産、「大暴落論」は全く根拠がない 現在の価格が「バブル状態」とは言えない理由

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中古マンション市場の「暴落」はありえないと断言できる理由とは?(撮影:谷川真紀子)

10月22日に行われた衆議院総選挙は、与党の圧勝で幕を閉じた。政権の安定運営と金融緩和政策の継続を見越して、日経平均株価も連続高値を更新し続けている。株価が堅調だと、不動産価格にもポジティブだ。しかし「今の日本の不動産市場はバブルだ。いずれ崩壊して大暴落する」という論調が消えることはない。

バブルは存在しないから、「崩壊」もない

一部地域では新築マンション契約率の低下に伴う売れ残りが見られ、値引き販売が行われているモデルルームも散見される。とりわけ、槍玉にあげられているのが、都心の湾岸地区。では中古マンションの売り物件が増えているが売れておらず、かつて国内不動産を爆買いした中国人からも売りが殺到しているというのが、暴落を危惧する人の主な論拠だ。しかし実態は本当にそうなのか。筆者は明言したい。国内不動産市場はバブルと呼べる状況ではまったくない。バブルが存在しない以上、崩壊も当然ない。

2012年12月、不動産価格や株価を低迷させた民主党政権から自民党へ政権交代が行われ、デフレからの脱却と富の拡大を目指す経済政策として、アベノミクス「3本の矢」が打ち出された。3本の矢のうち「3.民間投資を喚起する成長戦略」については実行性が乏しいとされ、物価目標の2%もいまだ達成できていない。

しかし、「1.大胆な金融政策 (金融緩和)」「2.機動的な財政政策 (財政出動)」は十分に効果的で、民主党政権時には一時8000円台と長らく低迷していた株価が大きく息を吹き返した。株価動向と軌を一にするように、国内不動産市場も大幅に回復した。日本銀行は、金融緩和政策の一環として、公開市場操作において、市場からJ-REIT(不動産投資信託)を年間約900億円買い入れてもいる。なにより実質金利低下をもくろむ「イールドカーブコントロール」を行う「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で、金利を底にへばりつかせている効果も大きい。

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