「親から虐待」の傷は、大人になっても深刻だ 食事は床に置かれ、母は「口で食え」と言った
ママは私の髪を引っ張って「ギャーギャーうるせぇよ、汚い顔して泣きやがって黙れ」って床に顔を押しつぶした。
私がジュースをこぼしたり、きちんとフォークやスプーンが使えないとビンタ。パパが「なんで使えないの? 犬か? だったらこうやって喰え」。
髪の毛を引っ張ってお皿に顔を押しつけて食べさせられた。ママは「笑える。ワンって言ってみな」って髪の毛を引っ張って頬をつねる。痛くて怖くて早く辞めてほしくて「ワン」って言ったら、「コイツ、ワンって言ったよ」と笑う二人。
それから私の食事は床に置かれた。スプーンやフォークは渡されず、手づかみで食べようとするとパパが殴る。ママは「おまえは犬。口で喰え」。髪の毛を引っ張られて、お皿に顔を押し当てられた。顔のまわりや服も汚れてしまう。ママが「汚ねぇな、しかも臭せぇし」って私の髪を引っ張ってお風呂場に連れて行き、冷たい水のシャワーで私の髪を濡らした。
寒くて「やめて」って叫ぶと、ママは「うるせぇよ」ってお風呂に私の顔を沈めた。苦しくてもがいて顔を上げ、泣き声を出したらまた沈められ、「おまえは臭い。汚いんだよ。きれいにしてやってるんだ。ありがたいと思えよ、クソが」。
どれくらい経ったのかな。意識を失っていて、気がつくと親戚のおばさんの顔が目の前に。あまりにも悲痛な子どもの叫びが響き渡り、ご近所の人が警察を呼んでくれた。叔母(おばあちゃんの妹)が駆けつけてくれて、なかなか家に入れようとしない両親を振りきり、私を探し回り、見つけて愕然としたそうです。
泣き声を出さないようになった
こんなことがあってもパパとママは逮捕されず、一層私を殴るようになった。大きな声で泣けば、もっと強く殴る、蹴る。私に声を上げさせないために。
だから、殴られても蹴られても泣き声を出さないようになった。大人になった今も、悔しかったり、かなしかったりすると手を噛む。声を出して泣けない。鏡を見ると自分の顔が汚い。パパとママが「おまえの顔は汚い」って言う声が、今も聞こえる。
こんな日もあった。私を置いてどこかでお酒を飲んできたパパとママは上機嫌。いつもは「あっち行け。目障りだ。視界に入ってくるな」って言われるのに、2人に初めて「こっち来い」って言われてうれしかったから、そばに行ったの。
パパが「おまえも吸ってみろ」って私の口にタバコを押し当て、煙が嫌で気持ち悪くて咳き込んだら、二人は「はい残念。ダメでした~」って笑った。
「怒られる。殴られる」って思ってたから、パパとママが笑ってくれたこと、うれしかったんだよ。でも、ママは突然、私の腕にタバコを押し当てた。「ギャー!」って悲鳴を上げたら、ケラケラ笑い転げたね。
この時の跡、残ってるの。20年以上も経ってるのに。見るたびに思い出す。苦しくて怖くて痛くて、発作が起きるの。発作の間、あのケラケラ笑った声が頭から離れない。
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