会社が成長する中で迎えた危機が2008年のリーマンショックだ。トヨタも初めて巨額赤字に転落したが、翌年には回復基調に入り危機を脱した。「なぜそんなに速く回復できたのかとよく取材を受けたが、われわれは何も変わったことをやっていないと言ってきた。モノをつくる心や理念は『トヨタウェイ』、モノのつくり方は『トヨタ生産方式』。この2本の柱をずっと粛々と守りながら、良品廉価な車を作ってきただけだ」と話した。
東大生たちもかつて授業で学んだであろうトヨタ生産方式については、「一言で言えば徹底的にムダを排除した原価低減」と説明。必要なものを必要なときに必要な量だけ造る「ジャストインタイム」はその基本だ。
一方で反省もある。「リーマン前には世界中で毎年50万台ずつ増産していき、ラインをどんどん作っていたが、それが設備余剰になってしまった。知恵や工夫、技術を入れない設備をどんどん並べてしまった。まさしく無駄なラインを作った結果だ」と述べた。最新設備を発注してロボット化や自動化を進めた結果、「設備が複雑となり、コストが高くなった。故障しても現場で直せない。生産性は落ちていった」という。
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