福島沿岸で2017年に起きている大転換の実態 若い人が集まり、活気が出てきている
藤沢:はい、大事だと思ってます。宮城や岩手でも地域づくりを先行してやってきたんですけど。地域を見ていると、「外の人がうまくいい形で馴染んで入ってくる地域」と、「なかなか外の人が入れない地域」で二分されているのが現実です。「新しい方がうまく馴染んで入ってくる地域」というのは、その後いろんな新しい動きが出てきていて、「中の人」も活躍されているんですよね。福島の沿岸の地域は、福島にもともといた人だけだとなかなか発展しづらいところもあると思ってます。僕らの役割としては、外から入りたいという人をまず見つけて、その方々がいい形で馴染んで入っていくお手伝いをきちんとしたいなと。そのためにそういったワークショップが前提になると思いますね。
堀:大事ですよね、対話してみないとわかんないですよね。
「新しい形で発展する」ことを信じる側に立っていたい
堀:「FVC」でどんなイノベーションが起きるのを期待されていますか?
藤沢:まだ日本人全体も、福島のあの沿岸地域が、まったく元どおりに戻ることはないにしても、持続できる形で残れるかというのを心底信じられてる人って必ずしも多くないと思うんですね。だけど、外から新しく入って、そこで新しい仕事をやって、「震災があった後に新たに入って何かを起こしている人もいるんだな」「福島の沿岸ももしかしたら次の可能性あるんだな」と心底納得してもらえることが一番のイノベーションかなと思いますね。
堀:ああそうか。意識の問題というか、未来を見る力というんでしょうか。
藤沢:もしかしたら、まだ、「福島が新しい形で発展する」ということを信じきれていない人が、大きく日本人の意識を変えていくことになるかもしれない。そこはすごく可能性があるし、そこの一員になれる。
堀:烈さんはどうして信じているんですか?
藤沢:自分が論理的に信じているとかじゃなくて、自分はその、そこを信じている人の側に立ちたいというほうが近いかもしれないですね。印象に残っていたのは、富岡の方に話を聞いて、震災直後に一時帰還の時に何をされるかという話をした時に印象に残っているのは、「お墓を除染する」と。自分はこの地域で長く先祖代々暮らしてきて自分の世代では終わらせたくないんだと。違う形で残していきたいんだと話されていて、そういう感覚なんだなと腑に落ちたんですよね。
だから、「できる、できない」の前に、そういう思いを持っている人がいると。やっぱり福島は福島だけの問題じゃないと思いますし、日本人全体の問題として、福島を何とかしようとしている人がかなり多くいらっしゃるわけですから、その側に立って一緒に信じたいなと。
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