非喫煙者限定の有給休暇は喫煙者差別なのか 差別することに合理的な理由はある?
「まず、対象を『非喫煙者』に限定している点です。喫煙者でも、勤務中や昼休みなどの外出したとき以外は吸わないという喫煙者もいるはずです。『スモ休』の制度趣旨から考えて、このように喫煙者と非喫煙者を差別することには、合理的な理由はないでしょう」
たしかに、喫煙者でもいろいろな人がいるため、一括りにするのは乱暴かもしれない。同社によると、スモ休は、非喫煙者が自己申告して利用する制度だ。また、喫煙者も「禁煙」を宣言して1年経つと利用できるという。寺林弁護士はつづける。
「喫煙の権利」が置き去り
「また、世の中では、最近、非喫煙者の権利ばかりが注目されていますが、『喫煙の権利』も実際には存在します。ただ、吸っている人だけでなく、周囲の人に対して与える健康被害もあるため、その権利が置き去りにされているだけです。
喫煙者の権利という側面から考えた場合、喫煙場所と喫煙時間を限定し、その時間以外は喫煙は禁止という制度を設けることによって、同様の目的を達成することも可能です。
さらにいえば、喫煙者がタバコを吸いに行く時間の計算は、あくまで机上の平均的なものでしかありません。そうであるにも関わらず、非喫煙者との間に6日もの有給休暇の差を設けるのは『やりすぎではないか』と思います」
喫煙の権利がある中で、喫煙者と非喫煙者であまりにも差をつけすぎているということか。
「そうです。ニュースなどを見ても、あまり喫煙者から、不満の声は出ていないようですが、それは、喫煙者の肩身が現在狭いので『言えないだけ』かもしれません。私は非喫煙者であり、タバコの煙は極力吸いたくないですが、それと制度上の合理性の問題はまた別であると思います」
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