不二家、とろける「ミルキー」投入のワケ 「キャンデーは硬い」は「頭が固い」?

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ビジネスは時代の変化に応じて姿を変えるべし

ミルキーは不二家の初代社長である林右衛門が、戦災で焼け残ったボイラーただ1基を手がかりに、水飴と練乳という製菓材料を手に母親の愛情を表すようなやわらかい味を目指して開発。時代背景や限られた条件などが重なって、キャンデーという形態で登場した。

ただ、いくら成功したビジネスや企業であっても、ずっと同じカタチでいつまでも栄華は保てない。基本的なノウハウやブランドを保ちながらも、時代の変化に合わせてその形態を変えていくことが求められる。

そもそも「キャンデーが硬い」ということが、「頭の固い」考えなのかもしれない。成否はともかく、少し大げさに言えば、生ミルキー袋は、発売63年目を迎えたミルキーにとって、従来の固定観念を打ち破って、時代の変化に対応する新たな姿を探っている商品なのかもしれない。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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