親の介護施設を決める際のチェックポイント 大切な人の「終活」を悔いのないように
居室にも工夫が多く、洗面台は身体の状態に応じて高さが変えられるようになっていたり、トイレは左右どちらからでも介助できるように設計されたりしています。
また、食事は身体状況や生活のリズムに合わせて準備され、充実した内容。見学時に試食したランチ(入居者の方と同じもの)のメニューは麻婆豆腐で、ジャスミンティーのゼリー付き。
1回の経験だけですが、お世辞ではなく、高級な中華料理店でいただいているかのようなおいしさでした。刻み食、ソフト食のほか、フランス料理などで用いられるピューレやジュレなどの調理法を用いたケアフードを一部取り入れ、のどごしもよかったです。見た目にも美しい食事の提供を目指しているということでした。食べる場所に関しても、趣の異なる2つのダイニングがあり、入居者は毎回、気の向くほうで食事ができ、時間にもある程度、余裕をもたせてあります。
入浴は身体状況にかかわらず利用できる大浴場ほか、個浴室もあります。私の知るかぎり、施設では大浴場が普通であり、1人でお風呂が楽しめるのは、かなり魅力です。
人員配置は2:1で手厚い配置となっています。看護職員が24時間常駐しており、体調の変化も適切に対応してくれます。胃ろう、吸引・吸入、インシュリン注射、在宅酸素療法、疼痛の緩和といった医療ケアにも対応しています。作業療法士による各種リハビリも受けられるので、足腰の弱い方や、後遺症がある方にも心強いといえます。
あらかじめ「複数の施設」を見学しよう
冒頭で私の経験をお話ししたとおり、介護付き有料老人ホームだけでなく、高齢者向け施設の多くは事前の見学が可能です。入居する本人だけでなく、家族が見学したり、食事を試食したり(一般的には有料)などもできます。
共有スペースにレクリエーションを楽しむ入居者の方が集っていたり、入居者が描いた絵画などの作品が飾ってあったりと、見学に行くことで施設の雰囲気が感じられ、どんな暮らしができるか、イメージしやすくなります。さらに複数の施設を見ることで、どこがどのように違うか、自分や家族にはどんな施設が合っているかが少しずつ、見えてきます。体験入居ができる施設もありますから、利用するといいでしょう。もちろん、費用もとても重要ですから、見学の際には、その点についてもしっかり確認してください。
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