親の介護施設を決める際のチェックポイント 大切な人の「終活」を悔いのないように
ほかには、医療機関との連携があるか、入浴の体制(週何回、入浴できるかなど)、食事は施設で作った温かいものが提供されるか、外出は可能か、施設全体が清潔か、などをチェックしました。
入居後「要介護2」から「要支援1」へ体調が改善
最終的に選んだのは、ある社会福祉法人が運営する介護付き有料老人ホームで、とても満足できる施設でした。
大きなポイントになったのは、同じ敷地に特別養護老人ホームもあり、介護のノウハウが蓄積されていたことです。部屋や食堂などはどの施設も大きな差はありませんでしたが、そのホームは全体が清潔に保たれ、華美でなく、落ち着いた造りで、いい雰囲気でした。たまたま、日当たりのいい1階の居室が空いていたのも幸運でした。
見学の際に食事の試食もしたのですが、質もよく満足できる内容で、母も満足そうでした。また、自宅から車で約40分のところにあり、私たち家族が通いやすいこともポイントになりました。面会にも行きやすいですし、体調の急変など、何か問題があったときにも、遠すぎると大変です。
いい施設が見つかり、母は喜んで入居しましたし、面会に行くたび、機嫌もよかったといえます。不満や帰りたいという言葉も聞いたことはなく、施設のお世話になるという母の決意も、施設の選択も、正しかったのだと思います。
母は、「要介護2」で入所(支援・介護は全部で「7段階」。要支援1~2、要介護1~5とすると、要介護2は4番目=日常生活の動作が低下し、歩行や起き上がりなどに部分的な介護が必要な状態)しましたが、半年後には「要支援1」にまで回復し、ほとんど介護は不要な状態にまでなったのも驚きでした。外出も自由で、姉妹の家に遊びに行ったり、自宅に帰ってきたりもできました。そのことからも、「プロに任せるのもいい」と感じました。
約2年、施設で暮らし、母は旅立ちました。亡くなってから見つけた母の日記には、施設に入居する前の記述がありました。そこには施設に入居して新しい生活が始まることへの不安や、そこで生きてゆく決意のようなものがつづってありました。
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