Airbnbの爆発的成長支えるたった3つの原則 成功する会社にはシンプルなルールがある

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Airbnbがトレードマークにしている特徴的なロゴ(撮影:尾形 文繁)

成長する企業には必ず、ある法則がある。特に、時間や情報が限られていても、迅速かつ正確に判断を下さねばならない状況下において、どこよりもスピーディな変化が求められるテクノロジー系企業には顕著だ。

一方で、新興企業は浮き沈みも激しい。成功する会社と、そうでない会社、いったい彼らの天下分け目の原因はどこにあるのか。

私が監訳と解説を務めた『SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』にも詳しくまとまっているが、世界トップレベルのビジネススクールであるマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン校で教鞭をとるドナルド・サルとスタンフォード大学工学部教授であるキャスリーン・アイゼンハートの研究によると、「成功する会社には、だれもが覚えられ、かつ実行性のあるシンプルなルールが存在する」というのだ。

人間の営みに「時間とおカネの有限性」が存在するかぎり、「あれもこれも」手を出しているわけにはいかないのである。あるいは、部下に、思いついたものすべてをやれと命令するわけにはいかない。

たとえば、日本でも最近さまざまな話題を提供している民泊事業。世界で初めて民泊事業を起こし、今、世界で最大手である「エアビーアンドビー(Airbnb)=通称エアビー」。当然のことながら、彼らのビジネスも始まりは、文字どおり、食うにも困る「マイナス状態」だった。

しかし、そこから押しも押されもせぬ一大事業へと発展を遂げたのは、創業者の3人が、ある伝説の投資家から「シンプルな教え」を授けられたからなのだ。それがやがて、彼らにとっての「シンプルなルール」へと姿を変えていく。

たった3人の宿泊客からスタート

2007年に、自宅の余ったスペースを、旅行客に貸し出すサービスを始めた2人の若い男性たちがいた。ジョー・ゲビアとブライアン・チェスキー。彼らはアメリカの名門美術大学ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの同級生として知り合った。

大学を卒業してから数年後、ロサンゼルスで工業デザイナーとして働いていたブライアンは、その仕事を辞めてサンフランシスコに移り、ジョーと共同生活を始めた。常々ジョーに「一緒にビジネスを立ち上げよう」と誘われていたからだ。

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