”東京オリンピック招致成功”の定義とは?

グローバルエリートが東京オリンピック誘致にモノ申……さない!

石原慎太郎氏の失策は大きい

なお、オリンピック招致に成功した場合、それを繰り返し主導してきた石原慎太郎氏をどう評価するかという問題だが、招致に成功しても失敗しても、石原氏の失策は極めて大きかった。まず仮に、またしても五輪招致に失敗すれば、莫大な損失の責任をどうとるのか。その間、オリンピック誘致という名のお祭り騒ぎにかまけた元都知事をはじめとする都庁の人々は何をやっていたのか、その時間と人員とおカネでもっと優先順位の高い福祉の拡充や若年層失業対策ができなかったのか、という大きな批判を免れないだろう。

中でもスペインのフェリペ皇太子が感動的なスピーチをする中で、石原元都知事の繰り返された時代錯誤の差別発言の数々や、「オリンピックは儲かる」といった気色ばった発言は、世界に出して恥ずかしくないリーダーを持つ必要性を再度認識するきっかけにもなった。今回、石原氏が五輪招致の前面に立っていないことが、むしろ東京五輪招致の追い風になっているのではと感じてしまう。

仮に東京五輪が招致できたとしても、それだけで東京五輪招致に成功したとの判断はできない。東京五輪をまずは採算の取れる五輪にして、将来世代に過度な負担がないようなオリンピックをデザインする必要がある。

そもそも訴えるメッセージがなくて苦し紛れで“震災復興”をうたったり、“省コストの五輪”をうたったり、と五輪の大義を探すのに一苦労した招致活動でもあり、政策的に五輪招致に勝ったというより、相手が勝手にコケてたまたま分の悪いギャンブルに勝った、という感が拭えない。都知事の国際社会の批判を受ける差別的な失言の数々がなければ、これほどの時間とおカネを費やさなくても、50年以上五輪がなかった日本は、もっとスムーズに五輪招致に成功できたはずだ。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。