日本でおカネを使うイギリス人の「旅の中身」

1人当たり消費額は中国人を抜いてトップ

また、英国人は「日本の歴史についての関心も高い」とシュルツさん。英国には歴史好きが多く、一定の大きさの書店には必ず歴史についての書籍を集めたコーナーがある。専門の雑誌が複数出ているほか、歴史を絡めた番組がテレビで毎日のように放送されている。

訪日の人気エリアは東京や大阪といった大都市圏のほかに、京都や奈良、城下町金沢、温泉や山歩きが楽しめる箱根、飛騨高山、原爆ドームのある広島など。世界的に名高い新幹線に乗ってみたいという人も多い。事前に自分で調べて、「ここに行くにはどうしたらいいか」と積極的に聞いてくる顧客が珍しくなく、「英国人の旅行客は勉強熱心」(シュルツさん)という。

日本に行くことがブランド化している

自分だけの旅がしたいという人が少なくないため、ジャパン・トラベル・サービスでは、日本の自治体と連携しながら、通常のガイドブックには載っていないプログラムも立案。「最近はお寺での宿泊も人気です」(西川さん)。「日本に行った」ということがひとつのブランド化しており、ソーシャルメディアで友人、知人に「行ったよ」と自慢できるのもミソだという。

西川さんは、支出額約25万円について「それほど驚かなかった」という。というのも、英国人の訪日旅行(平均2週間)には2500ポンド(約35万円)ぐらいかかると認識しているからだ。

英国からアジアのほかの国、たとえばタイなどに行った場合、総支出額は5分の1ほどになる。それと比較すると、日本への旅行はハイエンドの商品だ。しかし、1回日本に行って帰ってくると、ああ、なるほどという思いをほとんどの人が持つという。「おカネを払っただけのことはあると思うようになる」(西川さん)。

確かに、おカネを払った分の見返り、つまりコストパフォーマンスの意識が高い英国人からすると、日本での食費、交通費、美術館などの入場料には割安感がある。たとえばロンドンでは、無料で入れる美術館は多いものの、昼にサンドイッチとジュースを買うだけで1000円から1200円、地下鉄の初乗りがもし現金で買うと約700円になり(電子カード「オイスター」を使えば、区間によって340円から700円)、日本と比較するとかなり高額だ。

日本に旅行をしたという英国人にも話を聞いてみた。「50歳の誕生日に、何かビッグなことをしたい」と、4年前に日本を訪れたロンドン在住のキース・ケントさん。「いつかは行ってみたい国」だった日本に行くためにまず本を買って日本語を学んだ後、10週間の日本語クラスにも出席した。そこで実際に日本人数人と知り合いになっていよいよ心が決まった。

ジャパン・トラベル・センターで相談し、5週間かけて東京、京都、大阪、広島、福岡など日本列島を旅した。

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