ど派手な「インスタ映え」商品が続出する理由 撮影目的のハワイ旅行が2割高でもバカ売れ

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予想外にインスタグラムで拡散された商品もある。コンビニ大手のローソンが7月に発売した、「ぷるるん水ゼリー」だ。当初の販売目標は発売後6週間で30万個だったが、ゼリーの揺れる動画が拡散し注目を集め、結果的に45万個を売り上げた。

写真ではなく、ゼリーをぷるぷると揺らす動画がインスタグラム上で大きく拡散(写真:ローソン)

インスタ映えの効果に期待し、「今年のハロウィーンのスイーツには、紫や黒といった色彩を積極的に盛り込む」(デイリー商品部の高尾憲史担当部長)方針だ。

他方、インスタグラムでの拡散を狙うだけではなく、写真内の商品をその場で購入できるサービスを導入した企業もある。「マウジー」や「スライ」などの若い女性向けカジュアルブランドを展開するアパレル大手、バロックジャパンリミテッドだ。

インスタ写真に写っている服が買える

同社はインスタグラムの写真で紹介した服を購入できるサービス「AMEE+(アミープラス)」を、今年4月末に導入した。インスタグラムのアカウントに記載されたURLをクリックすると、アミープラスに移動。インスタグラムと同じ写真が並んでおり、写っている商品を販売しているECサイトへのリンクが現れる。

いちいち商品の問い合わせやウェブでの検索をしなくて済む。「インスタグラムから自社ECへと最短で送客する仕組みだ」と、開発を担当したバロックの山﨑浩史専務は解説する。

ただ、見栄えや販売手法を重視するだけでは消費者に飽きられてしまう。SNSマーケティングを支援するアライドアーキテクツの藤田和重氏は、「インスタグラムは非常にパーソナルなSNSだ。ユーザーの趣味・嗜好ごとに特化した商品開発で共感を呼ぶ必要がある」と指摘する。万人受けばかり狙っていては、消費者の支持を集めるのは難しい。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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