「大人の作業を避ける子ども」を育てる環境 「アダルティング」がもてはやされるワケ

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サッセ上院議員に言わせれば、多くの親は20年間ずっと子どもの演劇や音楽レッスン、水泳大会などのスケジュールをせっせと管理していたが、その間、子どもがやることといったら、服を着替えて時間になったら車に乗るくらいなもので、その結果、自ら判断して行動できる子どもが減っていることにつながっている。

こうした親による「甘やかし」は、ミレニアル世代が働く職場でも頻繁に見られる。IT業界で働くエリンさんによると、一流のハイテク企業でも、親が電話をかけてきて、「そろそろ雇用から6カ月経ったのだから昇級してもいいのではないか」と、労働条件を交渉してくる例がたまにあるという。

コラボしたいし、シェアしたい

彼女はまた、ミレニアル世代は個人で仕事の責任を負うよりも、仕事や経験を「コラボ」して「シェア」したがる傾向が強いと指摘する。こうした中では、「業務評価にも最大限の気を使わなくてはいけない」と話す。その結果、エリンさんは従業員を怒らせないように、物事を説明する方法を身に付けたという。

ミレニアル世代の扱いに悩んだこともあったため、彼女は過去20年間に何が変わったのかを知ろうと、いくつかの調査を行った。そこで、まず気がついたのは、家族の影響力が小さくなっていることだった。彼女は、子どもたちが意思決定を行う際に影響を与える上位5人に、両親が含まれていないことを知って驚いた。代わりに、多くのミレニアル世代は、友人やほかの情報源を頼りにしているのである。

もちろん、ミレニアル世代がすべて甘やかされているわけではない。起業家で、2人のミレニアル世代の母親でもあるマーティン・ポーターさんは、早い段階で子どもたちを大人にするための道徳的基盤を植え付けたいと考えていた。

そこで、ポーター夫妻は、子どもが小さいうちから自分の部屋からペット、お弁当のパッキングそして野菜の栽培まで、自分たちの持ち物を自分で手入れするように教えた。実際、彼女がペットのえさをやったり、ケージを掃除したりしたことは1度もなかった。また、幼い頃にテコンドーを習い始めた娘2人が、1年でやめたいと漏らしたときは、それを認めなかったという。

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