「運賃高すぎ」北総線の値下げは可能なのか 地元による安価な並行バス路線が好調

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バス社会実験は、2013年10月7~13日の1週間、鎌ヶ谷観光バスの協力を得て実施された。社会実験終了後も住民と鎌ヶ谷観光バスとの間で検討を重ね、沿線市の地域公共交通会議での承認を経て、2014年6月9日、経営主体の鎌ヶ谷観光バスと、地域住民主体の利用促進協力団体「生活バスちばにう友の会」(以下、「友の会」)のコラボレーションにより、「ちばにう」が、新鎌ヶ谷駅―千葉ニュータウン中央駅間で運行を開始した。

北総線と周辺各線の路線図。バスで千葉ニュータウン中央から新鎌ヶ谷へ出れば北総線以外の選択肢がある(筆者作図)

運行開始後、「ちばにう」は運賃の安さが支持されて順調に乗車人員を伸ばし、白井市や船橋市小室地区にも停車するルートと、印西牧の原駅を回るルートの2つの路線の開設を目指すまでに発展した。そして、国土交通省関東運輸局への路線新設に関する事業計画の認可申請から1年1カ月後の6月29日に認可され、2017年7月18日に「北環状線ルート」新鎌ヶ谷駅―白井駅北口―小室―千葉ニュータウン中央駅間と、「牧の原循環ルート」千葉ニュータウン中央駅―印西牧の原駅―千葉ニュータウン中央駅間が開業した。

特に、これまでは新鎌ヶ谷駅―千葉ニュータウン中央駅間の直行便では停留場がなかった白井市・船橋市小室地区と、新鎌ヶ谷駅・千葉ニュータウン中央駅・同駅周辺のビジネスモールの間を移動する需要が新たに生み出された。

京成グループも並行路線に参入

さて、北総線に頼らない交通手段として誕生した「ちばにう」であるが、地域社会に予期せぬ変化をもたらした。京成グループのちばレインボーバスが、「ちばにう」の運行開始に先立つ2014年5月17日より千葉ニュータウン中央駅と印西市高花を結ぶ「高花線」のうち、土曜休日の一部の便を千葉ニュータウン中央駅から新鎌ヶ谷駅まで延長し、さらに「ちばにう」新ルート開業後の2017年7月31日には「北総循環線」新鎌ヶ谷駅―白井駅北口―桜台―千葉ニュータウン中央駅間の運行を開始した。

ちばレインボーバスは北総線の駅と千葉ニュータウンの各地区を結ぶフィーダー輸送を中心とするバス事業者であるが、「ちばにう」の開設・拡大に合わせて、北総線と並行する路線バスの開設・拡大に踏み切ったのである。これにより、千葉ニュータウンと新鎌ヶ谷駅を結ぶバスの本数は「ちばにう」とちばレインボーバスを合わせて平日は2倍以上の本数となり、同区間のバスの利便性が大きく向上した。そして、ちばレインボーバス北総循環線の運賃も、「ちばにう」とほぼ同程度に設定された。

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