鳥貴族の全品値上げ、背景に「改正酒税法」も

居酒屋の悩みは人件費高騰だけではない

同業他社からベンチマークとされてきた鳥貴族。ついに値上げに踏み切った(撮影:今井康一)

焼き鳥店を東名阪中心に展開する鳥貴族は8月28日、全品280円(税抜き)均一の価格を改定し、10月1日から全店で一斉に全品298円(同)にすると発表した。値上げは実に28年ぶりになる。

鳥貴族は主な要因を人件費や食材仕入れ価格の高騰と説明する。「そもそも居酒屋で働こうと思う人が減っている。バイトの時給をそうとう上げざるをえない」と購買担当者は嘆く。

同社は約2年前に280円均一を維持するためのプロジェクトを立ち上げるなど、さまざまなコストを削減してきた。だが、業界を覆う人手不足の影響を避けることができなかった。

法改正がじわり影響

もう一つ、見逃せない要因がある。6月に施行された改正酒税法だ。

今回の改正は、酒類の総販売原価(原価+人件費など)を下回る価格での過度な安売りを規制するものだ。酒類販売業免許を持つスーパーなどの小売店、業務用酒販店、卸業者などが取り締まりの対象になる。

スーパーなどでは改正後、すぐにビール価格が上昇した。それに対し、直接規制対象でない居酒屋など飲食店では、業務用酒販店や卸業者からの仕入れ値の上昇という形で、じわりと影響が出始めている。

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