「独身でいたい」が理解されない40男の苦悩

東京から地元に戻って感じた「家族の重さ」

株式会社クラレは、1996年から新小学校一年生を対象に、「将来就きたい職業」の調査をしてきました。これに加えて、2015年以降、小学校六年生に同じ調査をしています。小学校に入学する前の幼い子どもたちの夢は、社会の男女への期待をダイレクトに反映していて、それはそれで面白いのですが、ここではもう少し現実的に物事が考えられるようになった小学校六年生の調査結果を紹介しましょう。

男は小さい頃から「競争して勝て」と育てられる

高学年になっても、やはり男子の夢はスポーツ選手のようです。2位の研究者に10%近くの差をつけての一位となっています。3位・ゲームクリエーターは今時っぽいですが、4位・医師、5位・教員と、社会的に地位が高いとされる職業が上位に来ています。

女子の場合は、男子のスポーツ選手のように圧倒的に人気のある職業はありません。1位の教員、3位の医師の他は、2位・保育士、4位・看護師、5位・動物園・遊園地と、「女性向き」とされる仕事が選ばれています。「女性向き」と思われているのは、人や動物のお世話をする職業です。子ども時代を通じて、男の子は他人と競争、女の子は他人と協調するように育てられているため、こうした差が出てきます。

社会的に地位が高いとされる職業は、競争率が高いため、スポーツ選手は当然として、それ以外でも実現するのは難しいことです。なれるかどうかは、単に個人の努力だけではなく、運や環境といった要素にも大きく左右されます。それにも関わらず、どうして男だという理由だけで競争しろと煽られ、「大きな夢」を語らなければならないのでしょうか。

百歩譲って、高度経済成長期のように、昨日より明日、明日より明後日が経済的に「豊か」になる社会であれば、競争にも意味があったかのもしれません。当時は多くの人が、親世代よりも高学歴で、経済的にも恵まれた生活をできるようになる確率が高かったからです。しかし、どのような時代であれ、僕は男性をむやみに煽って、不安を駆り立てるような言動に対して懐疑的な見方をしています。一時的に「勝った」としても、「勝ち続ける」ことはほとんど不可能だからです。

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