マクロン支持率急落が示す現代社会の大問題 「トランプの世界」は簡単に変えられない

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国家主義は、極右のイデオロギーをはるかに超えたものだ。学者のアンドリュー・A・ミッチタ氏が書いているように、これは一連の観念的な思い込みであり、「国に帰属しているという感覚から育つ主権の考え方」なのだ。そしてこれは、極右政党を打倒することを、はるかに超えている。国家主義はEUが取り組む必要のある「より親密な同盟」への理想に打ち勝っている強力な力なのだ。

ドナルド・トランプ氏が大統領になったことで世界的議題となったより大きな問題は、グローバルな理想から離れること、そして保守的国家主義の実践が、リベラルかつ市民的であることと一致するのかということである。それともこれは、自国民の面倒を見るという、自らの重要な義務を裏切った大部分のエリートたちへの恨みと怒りの強力な罪を含んでいるのだろうか。

イデオロギー対立が激化するイタリア

イタリアは、現在、欧州の風向計的な役割を果たしている。英タイムズ紙は今週、「数万人もの多くの新参者が永住する可能性に、イタリア人が順応しようとしている中で」、移民への暴力と敵意は増大していると書いた。「この国の忍耐は失われつつあり、その政治は再編されようとしている」。

フランスやオーストリアなどの近隣諸国は、国境を閉鎖してしまった。つまりイタリアはリベラル、左派、保守、極右、ポピュリストたちが暴れまわっていて、気を重くさせる状況になっている。

トランプ大統領が、自らが約束した改革を主導する可能性は低いだろう。コラムニストのエズラ・クレイン氏は今週、こう記している。トランプ大統領は、自身のツイッターをなかったことにし、「政治運営上とイデオロギー上で過小評価されることを熱望している」役人に囲まれている、と。

それでも、彼が大統領の座に居座っていられるのは、社会から取り残され、不満を抱えながらも政治活動に熱心な選挙民が多く存在しているからだ。リベラル中道派のマクロン大統領は、似たような力と闘わなくてはならない。米国と欧州のリベラルな国際主義で生き残る者が、今後何年間かの政治を定義することになるだろう。

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