39歳女性の結婚話を次々ツブす「母からのNG」

母の支配を「愛情」と勘違いするアラフォー達

10カ月ほど前に入会した佐藤裕子(42歳)は、「否定型」の母に育てられた娘だった。好きな男性はできるのだが、男性といわゆる恋人同士の関係にはなったことはない。それは、母親にずっと否定されてきた自分に自信がなく、恋愛に踏み込む勇気が持てなかったからだ。

それでも、38歳の時に“結婚をしたい”と思い、大手結婚情報センターに登録。2年間ほど婚活をしたことがあった。

当時、婚活を始めたことを知った母は、着飾ってお見合いに出掛けていく裕子を見るたびにこう言ったそうだ。

「あなたみたいな性格の人が結婚できるわけがないじゃない」

その言葉を聞くと、自分に結婚は無理なのではないかという気持ちにさいなまれた。途中からお見合いに行くことはひた隠しにして婚活を続けた。しかし、残念ながらそこでは、「結婚したい」と思える男性には出会えなかった。

「2年活動をしてみて、“やっぱり私は結婚に向いていないのかな”と思ったんです。だから一人で生きていく覚悟を決めていた。

でも、また最近結婚したいというか、家を出たくなったんです。ウチは父親と母親の仲が悪くて、頻繁に怒鳴り合いのけんかをする。最近それがひどいので、耐えられなくて」

「ならば、まずは家を出て一人暮らしをしてみたらいいんじゃない?」

「以前、『一人暮らしをする』と母に言ったら、『私を捨てて出ていくのか』と泣かれたことがあったんです。そんな母を見捨てられなかったし、結婚をすることになれば、大手を振って家を出ていけるから」

母親に否定的な言葉を浴びせられ、うんざりしているはずなのに、その母親を見捨てることができずにいるのは、やはりどこかで依存しているからなのか。

結婚を「母から逃げる」手段にしてもいいのか?

結婚を母から逃れるための手段にしていいのか?という意見もあるかもしれない。しかし、動き出す動機は何でもいい。苦しみや悲しみの中にいるのなら、動き出したほうがいい。

「結婚を言い出さない彼氏を断ち切りたい」「不倫を辞めたい」「二股かけられ振られた彼氏を見返してやりたい」――。そんな動機から婚活をしたとしても、本当に好きになれる結婚相手に出会えたら、過去は幸せな日々に上書きされていくはずなのだから。

こうして私のところで婚活を始めた裕子とは、お見合いをしていく過程で、さらに深い話をするようになった。20歳を過ぎた頃から、母親の存在が重たくなり、苦しくなり、スピリチュアルな世界に身を置いたり、心理カウンセリングに通ったりしたこともあったそうだ。

「母が私にとって毒母だということは、カウンセリングに通うようになってわかりました。頭ではわかっていても、やっぱり母を見捨てられないし、切り離して考えられない自分がいるんですね」

そうは言うものの、カウンセリングに通ってきた成果なのか、裕子には、自分自身をつねに俯瞰(ふかん)して冷静に判断する第三者の目が備わっていた。母と自分を切り離して考える思考回路も少しずつ出来上がっていた。

今回、祐子は婚活を始めたことを母にいっさい告げなかった。

「でも最近は、私の行動を怪しんでいるみたいですよ。土日ずっと家にいたのに、お見合いやデートで家を空けることが多くなったから。この間も、『あら、今週もまたお出掛け? 明日も帰りが遅いのかしら』って、嫌味っぽく言ってました」

そんな裕子は今、3カ月ほど前に見合いした男性と、結婚を前提にした「真剣交際」に入っている。プロポーズされる日も近いようだ。はたして、結婚を決め、それを母に告げたときに、この母娘の関係はどうなるのか? その成り行きと結末は、裕子の結婚が決まったらここに記したい。

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