テレビ番組を変える新指標「視聴質」の正体 テレ東の「ニッチ」路線は、やはり強かった
テレビ番組の評価は、ビデオリサーチ社による「視聴率」で決まっていることはよく知られている。現在の日本においては、サンプル世帯ごとのテレビ電源のオン・オフを1分単位で測定したものが視聴率の算出に使われる。しかし、言うまでもないことだが、この視聴率では測りきれないことがたくさんある。
スイッチがついていても、人が見ているかは別問題
たとえば、リビングルームで1台のテレビの電源がついていた場合、もし4人家族だったら、そもそも誰がテレビの前にいるのかについてはわからない。また、テレビの前にいる人が、実際に画面を注視しているのかという点もわからない。そうした細かい実態については計測していないし、データにも残っていない。そのため、実態が数字で可視化されることはなかった。
つまり、テレビの電源がオンの状態になって、あるテレビ局の番組が流されていれば、その番組が視聴されていると仮定して、数字を出しているのだ。極端な話、テレビの前に誰もいない場合でも、家族全員で熱中して見ている場合でも、価値は同じとされている。
しかし、今は1人1台スマートフォンを持っているスマホ全盛時代だ。たとえテレビがついていても、目はスマホの画面を見ているということが以前より頻繁に発生している。ただスイッチがオンになって流れているだけで、誰も見ていない番組と、家族で一緒になって楽しんでいる番組では、価値が大きく異なると考えるべきだろう。
そこで、注目されているのが「視聴質」という概念である。
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