民泊が普及すれば外国人の旅の仕方は変わる

これからは「人に会いに行く旅」に

ひとつの解決策としては、イベント民泊などの取組みを地域住民の方中心で進めてもらって、その収益を祭りの運営資金に回してもらうというのがあります。ゲストの方をおもてなししたいという気持ちがまずあって、その気持ちの延長として宿泊の費用としてお金をいただいて、そのお金で祭りが運営されるという循環を作りたいのです。徳島の阿波踊りでまず成功事例を作って、サステナブルな祭り運営のノウハウを日本各地やグローバルに展開したいです。

鶴岡:ソーシャルビジネスという視点で、加藤さんが気になっている最近の事例はありますか?

祭りの本来の意味を思い出させる体験を

(写真:DiGJAPAN!提供)

加藤:先日、バリのグリーンツーリズムで世界的に有名なウブドに行って来ました。ウブドの棚田に水を分配するために、スバックという組合のような仕組みがあって、そのスバックの人達を政府が支援するというソーシャルイノベーティブな取り組みを見て感動しました。スバックの人達は、「神様と人」「人と人」「人と環境」というの3つの関係性を保っていくことが自分達の幸せにつながると考えています。ウブドの祭りは、神様と人のつながりを再認識したり、人と人が交流したり、環境を大切にするために神様に祈るイベントです。

この考え方は、実は昔から日本にもある考え方で、「神様と人」「人と人」「人と環境」関係性を祭りと場で再認識してきたと思います。日本人が祭りを通してそういうことを思い出せると、自分の生き方とか、地域との関わり方とかに対しての深い気づきがあるはずで、それが祭りのとても面白いところだと思っています。

鶴岡:祭りの経営を立て直し、収益性をあげればいいだけじゃないと?

加藤:そう。大事なのは、地域住民と旅行者の両方が祭りの本来の意味を思い出すような体験をデザインすること、と考えています。

鶴岡:先月、民泊新法(住宅宿泊事業法)が可決されましたね。

加藤:大きくイノベーションが起こると思っています。これまでは観光地周辺に集中している宿泊施設が、住宅宿泊事業法が施行されると住宅地に住宅宿泊事業という形で宿泊施設が作れるようになります。

これによって、観光を消費するスタイルだった旅が、地域の暮らしを体験するスタイルに変化すると思います。1泊で観光を消費するだけだった旅が、数日地域に滞在して暮らすように体験する旅になることで、その土地の文化を深く理解することになりますよね。そのためにも、地域の人との交流を目的にした「人に会いに行く旅」をする人が増えると考えています。

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