蓮舫氏「二重国籍問題」は、意外なほど複雑だ 台湾国籍に関する法務省の分かりにくい理屈

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長年二重国籍状態にあって国会議員活動や大臣の任務に就いてきたことについて、有権者はどのように評価するのか(撮影:尾形文繁)

※本稿はForesightに7月21日に掲載された記事の転載です

民進党代表の蓮舫氏は7月18日に緊急記者会見を開き、昨年9月の代表選以来くすぶってきた二重国籍問題について、すでに台湾籍を喪失する手続きが昨年9月時点で完了しており、日本の戸籍上も昨年10月時点で二重国籍の解消が行われていることが証明されているとして、自身の戸籍謄本の写しなど書類一式を公表した。

二重国籍問題を有権者はどう評価するか

本記事は会員制国際情報サイト「Foresight(フォーサイト)」(新潮社)からの転載記事です

台湾の国籍を有していることが判明した昨年9月以降、会見やメディアの取材に対して蓮舫氏が語ってきたことが、一次資料という「証明」つきで時系列に沿って説明されており、全体像がかなりクリアになったと言える。

今回の会見によって、二重国籍問題の事実関係をめぐる論議はほぼ決着したと言っていいのではないだろうか。あとは、蓮舫氏の一連の対応や過去の言動、意図的ではないとは言え、長年二重国籍状態にあって国会議員活動や大臣の任務に就いてきたことについて、有権者や民進党の支持者がどのように評価するかという問題である。

一部のメディアやネット上の書き込みで、蓮舫氏が公開した喪失国籍許可証書が偽造ではないかという指摘が上がっていたが、台湾メディアが20日に台湾の内政部に確認し、偽造ではないとの回答を得ている。【蓮舫偽造「放棄國籍許可證」?內政部:證書是真的, SETN三立新聞網,July.20

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