「こまち」はコメじゃない!人名の列車名10選 ヨーロッパには多いが日本は意外に少ない

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9)SL「大樹」<徳川家康、徳川幕府の将軍の別称、尊称>
(東武鬼怒川線)
鬼怒川温泉駅を発車するSL「大樹」(筆者撮影)

2017年8月10日より運転を開始する東武鉄道の新しいSL列車。「大樹」とは、日光東照宮に祀(まつ)られている徳川家康をはじめとする将軍の別称・尊称を意味する。もっとも、東京スカイツリーをも意味するようで、純粋に人名とはいえない部分もあるので、最後のほうの紹介としておいた。

10)廃止となった人名列車

日本では数少ない「人名列車」。過去に存在したものとしては特急「シーボルト」(佐世保―長崎)がある。シーボルトとは長崎に滞在した医師の名前で、良い愛称かと思ったのだが、同じ区間を走る快速列車よりも割高であることが嫌われたのか、空席が目立ち、あえなく廃止となってしまった。

もうひとつは新下関と仙崎を結んでいた観光列車「みすゞ潮彩」。仙崎出身の童謡詩人金子みすゞに因んだ列車で、駅や駅弁には金子みすゞのイラストが描かれていた。観光列車の区間を仙崎ではなく、萩まで延ばすことで列車名を変更することになり、「みすゞ」の愛称は過去のものとなってしまった。

ヨーロッパにはたくさんある!

アレグロ・ヨハン・シュトラウス号の車内で配布していた列車時刻表(筆者撮影)

ヨーロッパには数多くの人名列車が走っている。筆者が乗った思い出深い列車としては、「モーツァルト号」(ウィーン―パリ)、「ヨハン・セバスチャン・バッハ号」(フランクフルト―ライプツィヒ)、「アレグロ・ヨハン・シュトラウス号」(ヴェネツィア―ウィーン)などがある。

愛称を付けない高速列車の台頭で味わい深い列車名は過去のものとなってしまったが、それでも最新の時刻表をひもとくと、ベルリン―プラハ―ウィーンといったルートでは「アントニン・ドヴォルザーク号」「フランツ・シューベルト号」など数多くの人名列車を見つけることができる。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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