渋谷駅前が「荒れた所」から観光地化した事情

仕掛け人は元博報堂の40代異色区長だった!

かつてはイベントのたびに若者が乱痴気騒ぎをする場所だったが、東京・渋谷区の主体的な働きかけによって、にぎわいを殺さず、清浄な地域環境の維持に成功した渋谷駅前スクランブル交差点。いったい、どのような取り組みが功を奏したのだろうか(写真:まちゃー / PIXTA)

ナイトタイムエコノミーとは、夕刻から翌日の早朝までに行われる経済活動の総称である。このナイトタイムエコノミーの振興は現在、国・地方自治体において新たな経済活性化の手段として注目され始めている振興分野である。そのナイトタイムエコノミーの振興に、地方自治体としていち早く取り組み始めた地域がある。それが東京都渋谷区だ。

「安倍マリオ」の登場で一躍世界の注目の的に

渋谷駅前のスクランブル交差点は「日本の都市風景」を象徴する存在として日本で最も有名な交差点の一つである。連日、多くの外国人観光客がカメラ片手に同地を訪れる。さらに、2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックの閉会式において行われた東京のPRパフォーマンスでは、任天堂のゲームキャラクターである「マリオ」に扮した安倍晋三総理が土管を使ってスクランブル交差点の真ん中からリオのオリンピック会場に直接現れるという演出がなされたことで、一躍世界の注目を集めるようになった。

近年、この渋谷のスクランブル交差点が、これまでとは少し違った「存在」として社会に認知され始めている。

その元をたどると、2002年の日韓ワールドカップ開催に行き着く。交差点に集まった一部の熱烈なサッカーファンたちが興奮のあまり周辺の交通標識に上るなどの乱痴気騒ぎを起こし、それがマスコミに大きく取り上げられた。このときのマスコミ報道はサッカーファンたちの問題行動としてこれらを報じたものであり、必ずしもこれを好意的に取り上げたものではなかったが、これが社会問題として大きく報道されたことが「悪目立ち」をしたい一部のファンたちの行動をますますあおることとなった。

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