介護にかかるおカネは800万円がメドになる 金額がわかれば「親の介護」も「老後」も安心

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『定年男子 定年女子』という本を私と一緒に書いた社会保険労務士でFPの井戸美枝さんは、現状では、医療と介護を合わせ合計800万円ぐらいあれば、「まあまあのサービス」を受けられるのではないかとおっしゃっています。

少なくとも550万円以上は準備を

実際に介護した人を対象に調査したデータを見てみましょう。生命保険文化センターが2015年に行った「社会保障に関する調査」では、1人当たりの介護費用は約550万円となっています。内訳は毎月かかる介護費用が約8万円、介護にかかる期間が平均で4年11カ月ということで、累計472万円(=8万円×59カ月)。さらに住宅の改修など、一時的にかかる費用が約80万円となっていますので、トータルで約550万円ということです。

もちろんこれ以外の試算もあり、もっとおカネがかかるという場合もあれば、そんなにかからないというケースもあります。先ほどの調査でも介護期間でいえば平均は約5年弱ですが、5年近辺に集中しているということではなく、かなり平準化しています。

たとえば「1年未満」の場合も12%、逆に「10年以上」の場合も15.9%ありますから、100万円以内で済む場合もあれば、逆に1000万円以上かかることもあるということです。

また、ずっと元気でいて要介護の状態にはならないということも、もちろんありえますので、その場合には「介護費用はなし」ということになります。つまり、本当のところはいくらかかるかわからないということですから、少なくとも平均とされる550万円以上は準備をしておいたほうが無難だということになるのです。

さて、もう1つの医療費も考えてみましょう。一般的に、本人負担額は70歳までは3割で、それが一定額を超えた場合には「高額療養費制度」によって、払い戻してもらえます。

その限度額は収入によって違いますが、仮に年収が約370万~770万円の場合だと、もし月に医療費が100万円かかっても、自己負担分は月9万円程度で済みます

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