松居さんの暴走は「ネットの欠陥」を露呈した 信憑性を確認できないものが拡散されていく
7月5日以来、船越英一郎さん・松居一代さん夫妻に関する話題が、週刊誌やテレビの情報番組、スポーツ紙、そしてウェブニュースをにぎわしている。いくら芸能人カップルとはいえ、話は夫婦間によくありがちなトラブルにすぎない。「メディアは騒ぎすぎ」と感じている読者も多いはずだ。
松居さんの告発、そしてその告発の背景や事実関係に関しては、極めてプライベートなことであり、本コラムで扱うものではない。しかしながら、この一連の流れを”芸能スキャンダル”とは異なる視点で見ると、そこには別の社会的な問題が見えてくる。
誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを誰もが簡単に使いこなせるようになってきた現代。誰もが手軽に世の中へ向けて情報発信できるようになった。その手軽さは、社会的な利益ももたらしているが、一方で、大きな問題を引き起こす要因ともなっている。
無責任な情報発信を助長
いまや、個人やごく小さなグループであっても、アイデアとセンス次第で資金を集め、新しい事業に取り組むことができる時代だ。クラウドファンディング、あるいはそれらに類似した人材募集の仕組みなどが根付き始めており、投稿サイトからアーティストやタレントが生まれている。
「Web 2.0」という言葉が生まれたのも今は昔。ブログとそれを取り巻くビジネス環境が変化していく中で、インターネットならではの情報発信の手軽さは世の中を変えてきた。
一方で、それはモラル意識を伴わない無責任な情報発信を助長する側面もある。匿名(厳密な意味での匿名ではないが)型掲示板サービス「2ちゃんねる」がアクセスを集めるようになって以降、社会的には顕在化してきたが、実際にはインターネット黎明期のニュースグループなど、インターネットコミュニティが生まれてから、少しずつ形を変えながらも続いてきた。
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