インサイダー取引でサンエー社長が辞任

拡大
縮小
インサイダー取引でサンエー社長が辞任

アパレル大手サンエー・インターナショナルの三宅正彦社長がインサイダー取引問題の責任を取って辞任した。三宅氏は一昨年4月、3カ月後に公募増資を実施予定であることを知りながら、ストックオプションで得た自社株を売却した疑いで、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告を受けた。

サンエーは駅ビルなどに展開する「ナチュラルビューティーベーシック」など若い女性向けの人気ブランドで急成長。ところが、昨年から続くアパレル不振を受け、今年8月期も業績を下方修正。2期連続の減益となる見通しだ。4月の中間決算説明会で三宅氏は「厳しいときこそ積極的に仕掛けたい」など強気な発言で、何とか現場を盛り立てようという意志を示した。しかし、その社員の士気に水を差す結果となった。

三宅社長退任後は、その甥に当たる三宅孝彦副社長が代表権を持つが、社長は11月の株主総会まで空席のまま。トップ不在の下、この苦境をどう乗り越えるのか。真の現場力が問われている。

(堀越千代 =週刊東洋経済)

堀越 千代 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ほりこし ちよ / Chiyo Horikoshi

1976年生まれ。2006年に東洋経済新報社入社。08年より『週刊東洋経済』編集部で、流通、医療・介護、自己啓発など幅広い分野の特集を担当してきた。14年10月より新事業開発の専任となり、16年7月に新媒体『ハレタル』をオープン。Webサイト、イベント、コンセプトマガジンを通して、子育て中の女性に向けた情報を発信している

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT