「ママでもエース」の営業女子は何が違うのか 時短勤務でも「売れる」働き方の秘密を大公開

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そこでワインも、単に高級なものでなく、オーガニック系などこだわりのあるもののコーナーを充実させ、情報を提示する工夫を提案。その結果、来店客数は好調だったといいます。

「心掛けているのは『消費者の生活を提示する』こと。具体的な消費者をイメージして、生活者の独り言を妄想します。たとえば『今月も家計の収支はギリギリだけれど、週末はママ友達と一緒に持ち寄りランチ会をしたい』というふうに」

この「独り言」を生かした提案をすることで、好評を得るそうです。「単にデータを送るだけでは生の声は届きません。証拠であるデータとともに、主婦営業ならではの感性を一緒に送っているので、説得力を高められていると思います」。

駅の花壇に座ってPC作業。スキマ時間は余さず活用

さらに、限られた時間の中で効率的に成果を出すために活用しているのが、ITの力です。

「子どもがいるので、昔のように顧客のもとに足しげく通ったり、夜遅くまで打ち合わせしたりすることはできなくなりました。だからといって、かかわりが薄くなってはいけません。メール、電話、リモートワーク体制を使いこなしています」

ITの力を使えば「スキマ時間」も有効に活用できるといいます。「電車に乗るときは、必ずPCを開いています。先日も、駅の隅の花壇に座ってPCを開いて作業していました(笑)。カフェに入るのも惜しいようなスキマ時間でも、工夫すれば作業をひとつ終えられます」

子どもとの時間を優先するため、仕事は必ず定時に終えて残業はゼロ。週末は仕事をしません。子どもが病気になったときなど、職場のリーダーやメンバーのフォローを受けるために、丹尾さんが大切にしているのが「日報」です。

「通常は顧客先への訪問記録程度に終わるかと思いますが、私の場合は『この顧客とはどこまで話が進んでいる』など事細かに書いています。すると何かあったときも他のメンバーに代わってもらえるんです。

いざというときにフォローしてくれる社内の信頼関係は、何よりも大切なものだといいます。「周りにはつねに感謝を伝えるようにしています。以前は、営業という仕事に対して『これは私しかできないだろう』というプライドがありました。しかし、今となってはチームでやれることはたくさんあるのだと気づきました。営業は孤独ではなく、チームみんなで進むことができる仕事です」

「担当するときは、初めに『17時半以降は電話がつながりにくくなる。緊急時はリーダーに電話してください』とお願いしています。初めこそ、顧客から『使えない』と思われるのではないかと不安でしたが、初めの段階できちんと説明をすれば、向こうも理解をしてくれました」

今でこそ家庭と仕事をきっちり両立させている丹尾さんですが、子どもが生まれた当初は「復職してもママで営業なんてとても無理」と思っていたそうです。ただ、取引先や社内など、周囲の理解に助けられてきました。

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