「レクサスLS」最高級セダンに課された新使命 豊田章男社長は「初代の衝撃を超えろ」と指示

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だが、レクサスLSを発売すると市場の評価は一変。レクサスインターナショナルの澤良宏プレジデントは「LSはこれまでの高級車の概念を覆すエポックメイキングな車として衝撃を与えた」と振り返ったうえで、「ドイツのラグジュアリーブランドがLSを相当ベンチマークしたと聞いている。静粛性はそれまであまり話題でなかったが、LS発売以降、各車の静粛性が上がり、オーディオへの要望も増えた」と指摘する。

そのLSも今回で5代目。豊田章男社長が指示したのが「初代の衝撃を超える車を作って欲しい」だ。

章男社長自身、レクサスのブランドデザインを管轄し、マスタードライバーも務めるなど、レクサスブランドへの思いは人一倍だ。澤氏は「社長は出来上がる前に何度もチェックし、ダメだしを何度も食らった。ゴールはなく、完成したとは一切言わない。ただわれわれとしては今できるすべてを注ぎ込んだつもりだ」と話す。

安全技術のフラッグシップ

そんな中、LSが今回強く打ち出したのが走行性能や感性価値に加え、先進の予防安全技術だ。新車発表ではめずらしく、先進技術開発カンパニーの伊勢清貴プレジデントが登壇し、安全技術への説明に多くの時間を割いた。

会見に登壇した伊勢清貴・先進技術開発カンパニープレジデント。LSの安全技術を熱く語った(撮影:尾形文繁)

「LSで目指したのは世界で最も安全な車だ。LSを安全技術でもフラッグシップにした」。伊勢氏はそう強調し、これまでの予防安全パッケージよりもさらに高度な衝突回避支援と高度運転支援を実現した「レクサス・セーフティ・システム+A」を導入すると発表した。

具体的には全方位を認識することで、これまでの追突事故や歩行者事故、走路逸脱事故に加え、自転車事故、夜間歩行者事故、出会い頭事故、路外逸脱事故などにも対応できるようになった。

さらに、世界初となるアクティブ操舵回避支援を搭載。歩行者などを検知した場合、ブレーキ制御に加え、自動でハンドルを制御することで、衝突回避または衝突被害の軽減を支援できるようにした。

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