日本人が海外投信に香港経由で投資する方法 回転売買が批判される日本の投信と違う選択

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香港の日系銀行「Nippon Wealth Limited」(写真:筆者提供)

そんなNWBがこの7月からスタートさせるのが、「eNWB」というサービスだ。eNWBの「e」はeveryoneを意味しており、誰もができる投資サービスを意味している。預金口座と同時に開設する「Settlement Account(決済口座)」を通して、投資信託への投資を可能にするサービスだ。

もともと、同行は香港で「リストリクティド・ライセンス・バンク免許」での営業を行っているため、預金口座に関しては最低預入金額10万米ドルが必要だった。新サービスの導入によって預金口座への入金なしに、投資信託の取引に限ってだが、最低預入金額1000ドル(約11万円)から投資することが可能になった。

要するに、香港日系銀行「NWB」に口座を開設すれば、日本から世界中で運用されている投資信託に自由に投資ができるようになる。むろん、NWBの口座を開設するためには一度は香港に行って、口座開設の手続きをしなければならない点は念を押しておきたい。

投資信託の手数料、日本は米国の5倍?

「投資信託なら、日本でもいくらでも手に入るじゃないか。証券会社に加えて銀行や郵便局でも販売している」と思うかもしれないが、日本で買える投資信託と香港で売買できる投資信託には信じがたいほどの「差」があることをご存じだろうか。

日本の投資信託は、最近に始まったことではないが、さまざまな理由から運用益の出ない金融商品を象徴するもののように思われている。この5月10日に東京都内で行われた講演で、金融庁の森信親長官は投資信託を販売する金融機関に対して「手数料稼ぎが目的の、顧客不在の経営になっている」と痛烈に批判している。

実際に、日米の投資信託を比較すると、日本の販売手数料や信託報酬は「米国の5倍高い」と指摘し、規模の小さな複雑な商品を次々に設定して、顧客に頻繁に売買させる「回転売買」が横行していると批判した。

米国の5倍というのは、昨年金融審議会「市場ワーキンググループ」で発表された数字だが、日米の投資信託売れ筋上位5商品の販売手数料が、米国では0.59%、日本では3.2%となっていた。

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