VISA、目立たぬ「金融の巨人」知られざる正体

本質は金融というよりテクノロジーにある

VISAの源流は、1958年にBank of America(バンク・オブ・アメリカ)が「BankAmericard(バンカメリカード)」を発行したところにまでさかのぼる。

その後、1970年には、バンカメリカードを扱う銀行が共同での開発や運用、米国内の普及促進を行うNational BankAmericard Inc.(NBI)が設立され、1974年には海外のバンカメリカードのプログラムを管理するためにthe International Bankcard Company(IBANCO)が設立された。それまではバンカメリカードや住友カードといったように銀行の名称がカードにつけられていたが、1976年にはVISAで統一されることになった。NBIはVisa USA、IBANCOはVisa International Service Associationとなった。

このように、VISAはもともと「銀行が自分たちの扱うクレジットカードを管理する組織」が基盤となっている。また、VISAが上場企業となったのはそれほど昔のことではない。上場は2008年だが、その前に組織の再編を行っていて、上場時にはVisa Europeは別組織だった。VISAがVisa Europeの買収を完了したのは、2016年のことである。

VISAの時価総額はトヨタにも引けを取らない

VISAはバンカメリカードからいえば59年、VISA発足から見れば41年とすでに長い歴史のある組織であり会社だが、その規模はいかほどだろうか。

まず、時価総額を見てみよう。

VISAの時価総額は1707億ドル(1ドル=111円換算で約19兆円、以下同)であり、日本の株式市場で最も時価総額の大きな企業であるトヨタ自動車(約20兆円)に引けを取らない。また、日本の金融機関で最も時価総額が大きな三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額は約10兆円で、VISAの半分の規模である。この事実を知らない人は少なくないだろう。

利益の規模はどうか。

VISAの2016年9月期の営業利益(ここではオペレーティング・インカム)は78億8300万ドル(約8750億円)。一方、トヨタ自動車の2017年3月期は営業利益が約2兆円、三菱UFJの連結業務純益が約1.4兆円だ。つまり、VISAは利益規模ではトヨタや三菱UFJに及ばないものの、株式市場ではより高く評価されていることになる。

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