博士は、なぜ人生を懸けてバッタを追うのか

ストイックすぎる狂気の博士のエッセイ

そして、幼少の頃より抱き続けていた夢を叶える日もやってきた。モーリタニアにサバクトビバッタが大発生し、その大群を追う著者。果たして、バッタ博士は無事にバッタに食べられるのか……?

バッタの大群に食べられるのを待つ著者

この部分を綴った本書の終盤にかけての疾走感を、ぜひとも味わってほしい。

同じ時代にこんな日本人がいる

『バッタを倒しにアフリカへ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

本書に描かれているバッタの生態やモーリタニアの日常などを知ったところで、多くの人には何の役にも立たないだろう。「昆虫学者になる」という著者の目的を一つのプロジェクトと考えれば、本書は一種のビジネス書ともみなせるかもしれない。しかしながら、ストイックすぎる著者のように命を懸けられるような人などほとんどいないだろうし、普通の人にとってどこまで参考になるのか怪しいところだ。

だが、それでよいのである。遠い地で、人生を懸けて全力でバッタを追いかける日本人がいる。同じ時代にこんな日本人がいることを知れるだけで、自然と救われるし、勇気付けられる。

本書は、個人的に問答無用で2017年のナンバーワン。読書刺激に飢えたすべての人におすすめの一冊である。

(※画像提供:前野 ウルド 浩太郎)

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