遊園地や市場…「今はない施設名の駅」10選 首都圏には意外に多い?昔のままの駅名

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2)行川(なめがわ)アイランド駅<JR外房線・千葉県勝浦市>
フラミンゴショーやクジャクの飛行ショーで有名だった房総のレジャー施設行川アイランドは2001年8月31日に閉園した。国鉄時代からレジャー施設名、しかもカタカナを使った駅名として珍しい存在だったが、閉園後も行川アイランドを名乗り続けている。

行川アイランドの跡地は再利用されず閉鎖されたままで、周囲に人家もほとんどないので、秘境駅の様相を呈している。閉園後は、さすがに特急列車は通過となったが、勝浦から安房鴨川まで普通列車に変身する「わかしお」の特急型車両が、ほとんど利用者がいないにもかかわらず1日2本律儀に停車し続けていて、ある意味奇妙な光景である。

かつては宝塚と並ぶほどだった

3)花月園(かげつえん)前駅<京急本線・横浜市鶴見区>

花月園の跡地は造成工事中だ(筆者撮影)

かつて花月園という遊園地があった。第二次大戦直後の1946年に閉園となっているので、そこで遊んだことのある人はかなりの高齢者であろう。文献によると、花月園少女歌劇団があり、「西の宝塚、東の花月園」というくらいの存在だったそうだ。遊園地としての花月園は70年以上も昔のことであるが、その後、跡地には花月園競輪場ができたので、花月園というのは競輪場のことだと思っていた人も多かったであろう。

しかし、その競輪場も経営不振などの事情から2010年に廃止となり、それ以後、花月園を名乗る施設はなくなった。競輪場跡地については、再開発を行うため造成工事中だが、新しい施設ができるのは数年後のことらしい。

4)鶴見市場駅<京急本線・横浜市鶴見区>

箱根駅伝の鶴見中継所最寄り駅でもある鶴見市場駅(筆者撮影)

花月園前駅から品川方面へ各駅停車で2駅行ったところが鶴見市場駅である。築地市場のように市場があるのかと錯覚しそうだが、そのような施設は一切ない。江戸時代に、このあたりまで海岸線が迫っていて、漁師が市を定期的に開いていたので、それが地名になったのだ。市場という地名が駅周辺のあちこちで見られるが、地元以外では、毎年正月に行われる箱根駅伝の鶴見中継所が至近距離にあるので、駅伝で有名な場所と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

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