自民vs小池新党、都議選が荒れ狂う根本理由

「自民第1党」「小池与党過半数」で痛み分けも

すでに出そろった各党の公約をみると、豊洲移転では自民、公明が早期移転を打ち出し、民進党も「汚染対策実施後の移転」を掲げる一方、共産党は築地市場の再整備を主張している。このため、「方針不明なのは都民ファーストだけ」(共産党)となり、「決められない都知事」(自民党)との批判にもつながっている。

都民ファーストの会の野田数(かずさ)代表は、「今日の段階ではこの表現にとどめた」と述べ、近く踏み込んだ内容に更新する可能性を示したが、共産党の志位和夫委員長の「無責任だ。都民に白紙委任状をくれ、と言っているに等しい」との批判は振り回される市場関係者の思いを代弁したともみえる。

「自民第1党」と「小池与党過半数」で痛み分けも

こうした都議選をめぐる攻防の複雑化で小池新党の"圧勝ムード"に陰りが見える中、選挙戦情勢にも変化が目立つ。マスコミや各党都連が実施した世論調査を踏まえた選挙通の予測も「小池新党圧勝」から「自民健闘」に重点が移りつつある。

現時点での各選挙区情勢を積み上げると「公明、共産、民進3党に無所属などを加えた各勢力の議席獲得数は40前後」(選挙アナリスト)とされる。となれば残る90議席弱を都民ファーストと自民が取り合う構図となる。

現有57議席で60人の公認候補を擁立している自民党は「最低でも45議席獲得」(選対)が目標とみられる。対する都民ファーストの「小池与党で過半数」という目標は、相互に推薦し合う公明党の全員当選(23議席)を前提にすれば41議席以上で達成できるが、その場合の都議会第1党は自民党となる可能性が高い。このため、永田町では「小池与党が過半数を取るが、自民党も都議会第1党を死守するという“痛み分け”の結末」を予測する向きも増えている。

ただ、自民党本部で選挙戦を指揮する二階俊博幹事長は「思いのほかの善戦などというが、世論調査に基づく選挙の下馬評くらい当たらないものはない」と陣営の引き締めを図る。小池人気に頼る都民ファーストの落下傘候補と、組織固めのどぶ板選挙に徹する自民候補の戦いは「ちょっとした失言や投票率次第で勝ち負けが変わる」(自民選対)ことになるからだ。

昨夏の都知事選では、自民党が擁立した増田寛也元総務相の応援演説で石原慎太郎元都知事が放った「(小池氏は)厚化粧の大年増」との暴言が「百万票超の差での小池氏大勝の原因」(公明党幹部)となったのは記憶に新しい。テレビキャスターとして培った「当意即妙の発言」を駆使する"善玉"の小池氏に、"悪玉"然とした二階氏らがどう応戦するのか。双方の"口撃"や対メディア戦略が「真夏の首都決戦」の帰趨を決めることになるかもしれない。

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