お色気「生中継アイドル」にハマる富豪の行状 拝金主義が蔓延する中国社会の縮図がある

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その独特の感覚を共有できるからかどうかはわからないが、劉の友人には富二代と呼ばれる金持ちの2代目が多いという。

彼らがつるんで遊ぶときにネット生中継は便利なツールになる。生中継を見て、気に入った女性パフォーマーを呼び出すというのだ。そのときにモノを言うのが、それまでにパフォーマーに贈ったプレゼントだ。

女性がデートしてくれなければ、プレゼントを贈らないのだろうか。「そうそう。ただ、応じてくれるかどうかはわからないから、とりあえずは投資ね」。

プレゼントを贈って女性パフォーマーたちに自分の存在を認識させる。当然、その金額やメッセージのやり取りから、女性たちも彼らが破格の金持ちであるという背景を察知するのだろう。実際に多くの女性パフォーマーが劉たちの呼び出しに応じ、食事や酒の場に同席してきたという。

友人間で交わされるネット生中継のアカウント

「バーやクラブで遊ぶとき、5、6人は呼びますよね。ネット生中継がいいのは、事前に女の子たちを見て呼ぶか呼ばないかを決められるところです」

劉海斌が経営する会員制クラブ(複合娯楽施設:ボウリング、アーチェリー、ダーツ、ゲーム、ビリヤード、バーなどがある)

宴席に同席させる女性を選ぶ際に、かつては写真や携帯電話の番号が必須だったが、ネット生中継がその手段に代わった。今はお目当ての女性パフォーマーの生中継のアカウントを友人同士でやり取りするという。

「成金は単純です。女の子を呼ぶか呼ばないかだけです。私の考えでは、パフォーマーがネット生中継のプレゼントで稼げるのは1、2カ月です。プレゼントを1、2カ月贈って女の子が会ってくれなければ、それ以上贈り続けはしないでしょう」

カネを持てば何でも許される。ネット生中継は、拝金主義が蔓延する中国社会の縮図でもある。

宮崎 紀秀 ジャーナリスト

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みやざき のりひで / Norihide Miyazaki

日本テレビ報道局、社会部警視庁担当記者、外報部デスク、中国総局長などを経て現在はジャーナリストとして北京在住。主に「バンキシャ!」「ミヤネ屋」「ウェークアップ!ぷらす」など日本テレビ系列で放送する報道番組にコンテンツを提供。中国がらみのルポを得意とする。

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