「くさや炎上」、秀逸すぎる円満解決の舞台裏 今は「危」承転結という発想が必要だ

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PRにおける「攻め」と「守り」

『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

僕はこれを、「起承転結」ならぬ「危承転結」だと説明したい。「危」はクライシス(危機)の発生である。社会関心の増幅装置にいったん火がつけば、誰もそれを瞬時に消し止めることはできない。「炎上」の発生だ。

ここでパニックになったり、もみ消そうとしたり、ダンマリしてしまってはいけない。重要なのは次なる「承」である。承という文字には、「うけたまわる」「受け入れる」という意味がある。これがクライシスマネジメントの基本スタンスだ。脊髄反応的に逆ギレしたり反論するのはもってのほかで、相手や世間の「意を汲んで」対応する必要がある。そして「転」。まずは状況を落ち着かせるのが最優先だが、そこからの可能性を捨ててはいけない。ピンチをチャンスに変えるべく、クリエイティブな発想で炎上を逆手に取ったPRにつなげる。その結果、すべての利害関係者それぞれに何らかの成果がもたらされて「結」というわけだ。P&Gは「くさや炎上」という危機を、冷静に受けとめた。社会の意を汲むことでCMの中止を即決する一方で、くさや生産者の意を汲み、関心を理解しようと努めた。そのことが、生産者とタッグを汲んだ新しいコンテンツの発想につながった。

PRには「攻め」と「守り」のふたつの顔がある。バズをあげるだけがPRではない。記者会見で頭を下げるのがPRでもない。デジタル化した社会が「関心の増幅装置」となったいまこそ、このふたつのノウハウを融合することが重要だ。社会関心をどう料理すれば人は動くのか。ここに興味をおもちの皆さんは、ぜひ最新の拙著『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』のページをめくっていただきたい。デジタル社会の未来に向けた、コミュニケーションの示唆が見つかるはずだ。

(文:本田哲也)

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2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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