「通勤60分以内」が子育て夫婦の人生を変える 過酷な保活は、賃貸暮らしで乗り越えるべし

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もう1つのデメリットとして、家賃コストが上昇する傾向が挙げられます。シンプルライフを志向しムダなモノを減らして郊外よりは狭い物件を借りるような工夫をしていきたいところです。たとえば東京23区内、特に山手線エリアに住みたいのなら「物置部屋」はムダですし、設定するべきではありません。ファミリー物件では1部屋減らせば家賃を数万円下げるチャンスにもなります。

また、エリアの工夫もしたいところです。東京23区内であっても家賃水準はさまざま。最初候補に挙げていた区の隣接区に移動するだけで家賃水準が数万円下がることはしばしばです。電車のアクセス次第で、埼玉県や千葉県に住むことで家賃を抑えつつ、通勤60分以内の条件をかなえることもできます。

「職住近接」はもはや「ぜいたくライフ」ではない

今まで職住近接はぜいたくなライフスタイルの象徴のように扱われてきましたが、これは、持ち家の取得と住宅バブルがあった1980~1990年代のイメージに、六本木ヒルズのような高級住宅のイメージが混在したミスリードではないでしょうか。

いまや、職住近接は普通の共働き世帯が検討すべき課題になっています。少なくとも、夫婦どちらかがそれに当てはまるように意識するべきです。かつては「郊外に住み、自宅の近くで妻がパートをする」という働き方で、結果的に女性が職住近接のスタイルとなっていましたが、これで世帯年収を大きく上げることは困難です。

もし、近々引っ越しのご予定があるのなら、初めから「無理」とあきらめず、会社から60分圏内の物件探しをしてみることをお勧めします。

山崎 俊輔 フィナンシャル・ウィズダム 代表 ファイナンシャルプランナー

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やまさき・しゅんすけ / Syunsuke Yamasaki

1972年生まれ。中央大学法学部卒業。企業年金研究所やFP総研を経て2001年独立。全国紙などで連載。著書に『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など。

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