「通勤60分以内」が子育て夫婦の人生を変える 過酷な保活は、賃貸暮らしで乗り越えるべし

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筆者の場合、40歳と42歳で2人の子どもを得ましたので、単純に考えても65歳まで学費に追われることになり、自分の老後の貯金を卒業後に始めることは不可能です。したがって、子どもが小さい時分から、子どもの学費と自分の老後への備えを同時に行うことが重要なのですが、それを可能にするのはやはり共働きであってこそです。

夫婦共に厚生年金と退職金がもらえるというメリットもあります。いわゆる専業主婦世帯を念頭に置いたモデル年金額の水準が低下していくといっても、夫婦共に老齢厚生年金を受けることができれば「わが家のモデル年金額」はこれを上回ることができます。現在の水準で概算しても専業主婦世帯が月額21万円の老後となるところ、共働き正社員であった世帯は月額30万円の老後になる可能性があります。すると、老後の暮らし向きは大きく変わってきます。

さらに、共働き正社員世帯が現役時代に苦労して働き続けた最後にやってくるプレゼントが「ダブル退職金」です。退職金額は各社各様ですが、仮に退職金の受取額が1人1000万円だとして、夫婦合計2000万円になれば、これまた老後のマネープランを別ものにしてくれます。

産休・育休を経て職場復帰したものの、結局女性が離職してしまうのは、社会の経済的損失であるのみならず、家庭における大きな経済的損失です。職住近接により、女性が正社員として働き続けることができれば、家計を安定化させ、将来の不安も解消することができるのです。

「身軽な賃貸生活」で保活を乗り切れ!

一方、デメリットもあります。1つが、「保活」(保育園を探す活動)の問題です。理想的な職住近接スタイルであっても、そもそも保育園が見つからなければ意味がありません。

この点について、ひとつ言えることは「いきなり23区内に家を買う」というような選択をせず、「未就学児の時期は賃貸生活でフットワークを軽くしておく」という選択のほうが何かと便利ということです。

東京都23区の例で見ても、保育園に入りやすい区、激戦区があるのは事実です。賃貸生活であれば、激戦区を避けて居住エリアを定めることができます(ちょっと検索すればそうした情報は手に入ります。杉並区、豊島区などは待機児童が多いといわれる)。

また、入園が決まったとしても保育園と自宅との距離が思ったより遠かった場合に、引っ越しをして距離を詰められるのも賃貸生活の大きなアドバンテージです。「最寄り駅」「自宅」「保育園」の3拠点のうち2拠点の距離を近づけることができれば、子育てはぐっと楽になるでしょう。

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