トランプ通商政策、「軟化姿勢」見せるワケ 強硬路線は鳴りを潜めた?

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米国政府はTPP(環太平洋経済連携協定)の代わりに2国間自由貿易協定を求めており、日本は失うものが多い交渉になると警戒している。マイク・ペンス副大統領が麻生太郎副総理との経済対話で「交渉は将来の課題」と述べ、日本側は胸をなで下ろした。

ただし「ハードな保護主義路線が後退すると考えるのはまだ早い」と、ブルッキングス研究所のミレヤ・ソリス日本部長は言う。

攻撃的な通商政策を遅らせている理由

保守系のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のデレク・シザース氏によると、トランプ政権が攻撃的な通商政策を遅らせている理由は2つある。第1にオバマケア改廃や減税のほうが重要だから。そして通商関係の政権内人事が終わっていないからだ。

だが、来年は中間選挙がある。労働者の不満が依然として高ければ、トランプ大統領は選挙運動で言っていたことを行動に移す必要に迫られる、と同氏は言う。今、行動を伴っていないからといって、それがトランプ大統領の今後を占う試金石とはならないのだ。

リチャード・カッツ 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Richard Katz

カーネギーカウンシルのシニアフェロー。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『The Contest for Japan's Economic Future: Entrepreneurs vs. Corporate Giants 』(日本語翻訳版発売予定)

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