福岡の西鉄が「車内装飾バス」に秘める地元愛 車内で揺れる「ぬいぐるみ」、何がきっかけ?
福岡市民の「足」として親しまれる西鉄バス。西日本鉄道のバス事業として営まれており、グループ会社を合わせたバス台数は2829台(2016年3月時点)と国内最多だ。そんな西鉄バスが昨秋にスタートし、人気を集めている企画が、路線バスの車内を動物のぬいぐるみなどで飾り付ける「装飾バス」である。派手に飾られた車内の写真を乗客がSNSにアップするなどして、福岡の地元住民を中心に話題となっている。
西鉄によると装飾バスは、2014年春にスタートした都心や駅と福岡市動物園を結ぶ無料シャトルバス「ZOOバス」が原型になっている。動物園の駐車場が手狭なため、繁忙期限定のシャトルバスとして登場し、その車体を普段は動物園を通る路線バス用に利用するようになった。現在はゾウ、キリン、レッサーパンダ、ヒョウ、カワウソの5種類のバスがあり、動物園スタッフが車内を装飾し、西鉄が運行している。
バスの中には、たくさんの動物のぬいぐるみ
一見、普通のバスだが、中に入ると動物のぬいぐるみがあちこちに飾られ、動物の写真や動物クイズ等が壁一面に貼ってある。吊り下げられたぬいぐるみたちは、バスの揺れに合わせてゆらゆらと揺れる。車内には動物の鳴き声も流れて、にぎやかなムードを盛り上げる。乗客からは「楽しい」との声が次々に寄せられ、動物園も西鉄も手応えを感じていたという。
西鉄バスが独自に装飾バスを手がけるようになったのは、昨年秋のこと。福岡市南部の5営業所が集まる会議で、片江営業所に所属する男性職員がバスをハロウィン仕様にしたいとアイデアを提案し、バス停1か所とバス1台を装飾することが決まったのだ。
多くの路線の中から選んだのは、大学病院を通るルート。「通院・入院するお子さんや患者さんたちに少しでも喜んでもらえたら」という思いからだった。
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