窮地の東芝、監査法人の変更は本当に可能か

上場維持に向けた弥縫策はもはや限界

東芝の経営陣も上場廃止は何としても避けたい。これは株主から訴えられかねないからだ。しかし、そのために無理に無理を重ねた結果、東芝への信頼は低下していく。信頼低下という言葉はもはや甘く、不信感が増大する一方だ。

東芝は2018年3月末までに債務超過を脱しなければ、2期連続の債務超過で上場廃止となる。メモリ事業の売却を急ぐのはそれを避けるためだ。

だが、タイムリミットの存在によって、虎の子のメモリ事業を買い叩かれれば元も子もない。銀行サイドからは「われわれは上場廃止でも構わない。そのほうが腹を据えて改革できる」(主要行幹部)、「上場廃止でも支援は継続する」(中位行幹部)といった声さえ上がる。

上場廃止でも紙切れにはならない

上場廃止になるとどうなるのか。

倒産しなければ、株式が紙くずになるわけではない。もちろん不便はある。現状のように株式市場で売買はできなくなる。売買ができないわけではないが、相手を見つけて価格交渉をする必要がある。

逆に言えば、塩漬けにしておくなら問題はない。東芝は特設銘柄に1年半、上場廃止のリスクが高い監理銘柄には1カ月以上指定されており、そうしたリスクも含めて投資家は自己責任を問われても仕方がない。

非上場株を保有できない規定を持つ機関投資家などは売るしかなくなる。上場廃止が決まって、実際に廃止となるまでに売り圧力が高まるため、株価は下がる可能性が高い。反面、上場廃止が企業価値とは無関係と考える投資家には買い場となる。実際に株価がどうなるかはわからない。

実際に上場廃止となっても、事業を堅実に営んでいければ株式は価値を持ちつづける。その先、内部管理体制を整備できれば、再上場という道もある。

問題は上場廃止によって銀行の融資姿勢に変化があるかどうかだが、主力行を中心に東芝を支え続けざるを得ない状況だ。そのような中で、どこまで上場にこだわるべきか――。誰かが決断を下す時がくるかもしれない。

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