東芝、「怒号と疲労」の株主総会でみえたこと 株主は「大企業病は変わっていない」と指摘
「最後になりますが、このような事態になりましたことを重ねてお詫びを申し上げます。本日、株主の皆様から頂戴したご意見を真摯に受け止め、全役職員の総力を挙げて現下の危機的な状況を乗り越え、当社の信頼回復に邁進いたしますので、引き続きご支援ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました」
3月30日、半導体メモリ事業の分社化を承認するため、千葉県の幕張メッセで開かれた東芝の臨時株主総会。綱川智社長の最後のあいさつで午後1時半に幕を閉じた。
3時間半にわたる総会は時に怒号が飛び交い、社長解任の動議も出される荒れたものになった。
1兆円を超える赤字規模に
前日29日には、米国の原子力事業子会社ウエスチングハウス(WH)が日本の民事再生法に当たる米国連邦破産法第11条(チャプター11、以下C11)を申請。このことで、東芝は2017年3月期決算の連結対象からWHを外すとともに、3月14日の会見で公約していた海外原子力事業のリスク遮断にメドをつけることができたと説明した。
一方、2017年3月期の決算見通しは、従来示してきた3900億円の最終赤字から1兆0100億円に拡大する可能性がある、と発表していた。
1兆0100億円!製造業では過去最大、想像がつかない赤字額である。
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