「鉄道フォーラム」はネットの歴史そのものだ パソコン通信から刻んだ30年の歴史
新入会員の激増と、それに伴う雰囲気の変化に四苦八苦する時代は、しばらく続いた。一方で、メールマガジンができて、鉄道情報を鉄道フォーラム内に押し込めておくだけでなく、広く知ってもらって、そこから鉄道フォーラムに入会してもらうという動きがでてきた。
さらに大きな動きは、2000年頃から起きた。インターネットが次第に普及し、パソコン通信が前世代の通信方式とされるようになり、鉄道フォーラムも入会者数がかつてほどの多さではなくなったのだ。さらに、1999年にはじまったインターネットサイト「2ちゃんねる」が、鉄道フォーラム運営への不満を募らせた会員のはけ口となった。これで、鉄道フォーラムの活動にようやく落ち着きがでてきた。
一方、インターネットの普及により、ホームページの必要性が盛んに語られるようになり、先進的な会員は自身でホームページを立ち上げて、そこで発信をするようになる。NIFTY-Serveも1999年11月にInfoWebと統合して@niftyとなり、インターネット時代への対応を急ぐ。しかし、すでに世の中はインターネットが基本の時代へと進んでいて、@niftyはフォーラム文化よりも、インターネットに接続するためのプロバイダとしての位置づけが強くなっていく。
さらに、通信回線はISDNやADSLといった電話回線を高速化するデジタル技術を経て、光回線や無線LANといったブロードバンドへと進化していく。こうなると、画像も使えるインターネットの便利さに人は目を奪われていく。パソコン通信でも画像は使えたが、一つひとつ登録が必要で、会員はそれをダウンロードして見るという一手間がかかっていた。
この大きな時代の変化がありながら、フォーラムサービスはパソコン通信のままだった。2002年11月になってようやくWebベースのフォーラムサービスを開始したが、時すでに遅く、かつての賑わいを取り戻すことなく、2007年3月をもって@niftyのフォーラムサービスは廃止となった。
新生「鉄道フォーラム」の10年
@niftyがフォーラムサービスを終了する半年前の2006年9月に、鉄道フォーラムは独自サーバに独自プログラムを載せた新生「鉄道フォーラム」を開設した。インターネット時代となり、アクセス回線は各自自由に選べる時代となっている。つまり、アクセス回線から収益は得られない。しかし運営費は必要になることから、月額250円+税の有料サービスとして開設した。
このシステムを開発するにあたっては、事前にニフティ(株)からフォーラム終了を予定していることを内々で連絡いただき、それまでのNIFTY-Serve~@nifty Webフォーラムでのノウハウもすべて使用して良い、ただし、資金提供はしないという条件提示を受けていた。そこで、多数の会員が慣れ親しんだフォーラムの仕様を極力盛り込んだシステムを作った。
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