「鉄道フォーラム」はネットの歴史そのものだ パソコン通信から刻んだ30年の歴史

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貸切列車を毎年走らせるきっかけをつくった、1993年の飯田線旧客貸切列車(筆者撮影)

2017年4月15日に、鉄道フォーラムは開設30周年を迎えた。開設した1987年4月15日はバブル景気へと突き進む直前といえる。ちょうど2週間前には国鉄の分割民営化によりJRが誕生したばかりだった。

そのタイミングでパソコン通信NIFTY-Serveがサービスを開始。キラーコンテンツと位置付けられた約40の「フォーラム」サービスのなかのひとつに鉄道フォーラムがあった。それから30年を経たいま、鉄道フォーラムを通じて経験してきた「ネットの進化史」を振り返ってみよう。今のネットを当たり前に感じている若い鉄道ファンにとっては、はじめて知る話も多いかもしれない。

ネットの先祖「パソコン通信」がはじまる

かつて、物理的な電話回線は日本電信電話公社が独占しており、一般家庭ではもっぱら音声通話のための道具として使用されていた。

通信網が全国津々浦々に張り巡らされた1980年代には電話回線網を利用した通信が段階的に認められるようになった。付加価値通信網(Value Added Network=VAN)と呼ばれ、先進的な人たちはその機能を利用したネットワーク通信をはじめていた。全国に小規模なコミュニティがぞくぞくと登場したそれは、総称して「草の根BBS」と呼ばれていた。

そこに、全国を対象とした大規模なパソコン通信「ASCII-net」が登場したのが1985年のこと。翌1986年には「PC-VAN」も登場し、これが後に「BIGLOBE」へと発展する。

この先行2大パソコン通信事業者を追って1987年4月15日にサービスを開始したのが、「NIFTY-Serve」だった。

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