シリア空爆の裏でトランプ氏がしていること

国際援助を大幅縮減する米国の前途

だが、トランプ大統領は国連難民高等弁務官事務所の予算40億ドルに対する米国拠出分も、15億ドルのうち5億ドル超をそぎ落とすつもりだ。これこそ、シリアの化学兵器使用に嫌悪感を示しながら、トランプ大統領が行っていることである。

むろん、シリア情勢に戦慄(せんりつ)するのは正しい。11年以降の死者は50万人近くに達する。国外難民は500万人を突破した。軍事行動だけでは問題は解決しない。

国際援助縮減は愚かな行為

トランプ大統領が頼りにするジェームズ・マティス国防長官は、「国務省の予算が十分でないと、もっと弾薬を買うことになる」と、国際援助縮減の愚かさを指摘した。共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務も、「外交のほうが軍事介入よりはるかに安くて効果的だ」と語っている。

難解な予算策定プロセスのせいで、人道危機から目がそらされてはならない。世界に救いの手を差し伸べてきたのが米国だ。その伝統を捨てて問題を悪化させる側に回れば、米国が掲げる価値観を否定するに等しい。トランプ政権が進もうとしているのは、まさにこの道筋なのだ。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 最新の週刊東洋経済
  • カラダとおカネのよもやま話
  • 中学受験のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地方反撃 <br>「稼ぐ街」は何が違うのか

政府が地方創生を掲げてから4年半。地方の人口減は止まらず、地方経済は衰退している。地方創生には何が必要か?地域活性化に成功している街を徹底的に分析、再生のための具体的な処方箋を探る。自治体や街づくりの関係者にはアイデア満載の特集。