「フィットHV」でトヨタを追撃するホンダ ホンダが新型HV投入、止まらぬ低燃費争い

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メートル単位の争い

軽自動車でも低燃費競争は激しい。ダイハツ工業は8月に「ミライース」をマイナーチェンジする。燃費は33.4キロメートル。ガソリン車ではトップで、HVとの差がほとんどなくなってきている。

ミライースは、11年にガソリン車で「リッター30キロ、第3のエコカー」をうたい文句に登場した軽の低燃費競争の火付け役だ。車体の軽量化やアイドリングストップ、排気再循環をはじめとしたエンジン効率化など、細々とした燃費改良技術を積み上げることによって低燃費を実現。一躍ヒット車種となった。

その後、ライバルのスズキが2カ月後に200メートル上回る「アルトエコ」を投入して追随し、13年3月には33キロメートルまで引き上げていたが、ダイハツの新型ミライースはそれを400メートル上回った。

またミライースやアルトエコより車高が高く、軽市場の中心となっているワゴン分野では、日産と三菱自動車が共同開発し、6月に発売した「デイズ/ekワゴン」が一時トップに立った。が、スズキが「ワゴンR」の改良ですかさず抜き返すなど、実に目まぐるしい。

軽自動車は、そもそも小型軽量・小排気量で、過度な機能も要求されない。このため、HVなどのシステムを用いないエンジン車としては燃費を向上させやすい。ダイハツの三井正則社長は「軽の本質である低燃費、低価格を今後も追求していく」と言う。

燃費競争は過熱するばかりだが、そもそもカタログに記載される燃費と実用上の燃費とには大きな差がある。実際、業界団体の日本自動車工業会が、実燃費の平均はカタログ燃費より2割程度低いと認めているのだ。カタログ上の数百メートル~数キロメートルの違いは、実用上は誤差のうちといっていい。その意味では100メートル単位で燃費を争う現在の状況はナンセンスといえる。

ただ、燃費志向が強まった国内市場で新型車のカタログ燃費がクラス最高水準なのは、もはやマーケティング上の最低条件。当面は小刻みな数字の争いが続きそうだ。

週刊東洋経済2013年8月3日号

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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