長島氏離党にみる民進党の「終わりの始まり」

執行部激怒、衆院選の「刺客」に蓮舫代表も

衆参所属議員約140人の勢力の民進党だが、党内には12の派閥(長島グループも含む)がある。複数所属も認められるが「群雄割拠どころかどんぐりの背比べ」(党幹部)だ。しかも、「憲法改正」や「民共共闘」という政党の基本理念や政治路線だけでなく、税制やエネルギーなど基本政策でもことごとく意見が対立している。蓮舫代表は年頭に「今年こそは党内バラバラと笑われない政党にしたい」と"結束宣言"をしたが、その後の党内状況を見るかぎり「結束どころかバラバラ感が加速するばかり」(若手)というのが実態だ。

「森友疑惑」での厳しい追及にも、有権者からは「政策論争そっちのけでのスキャンダル追及は理解できない」との声が多く、政党支持率は一ケタ台に低迷したままだ。このため、党内でも「決定打のない森友疑惑よりも共謀罪での政権攻撃が効果的」(国対幹部)との声も出ているが、「審議拒否すれば国民の批判を浴びる」と"及び腰"が目立ち、共産、自由、社民各党との「4野党共闘」も形骸化している。

「本来なら国会での徹底抗戦で自公政権を解散に追い込むのが最優先」(民進党長老)のはずだが、「7月2日の都議選とのダブル選狙いの解散断行」などのうわさを流すのは自民党で、蓮舫代表らは「受けて立つ」と強がるものの小選挙区での新人候補擁立にも苦しんでおり、選挙態勢は脆弱なままだ。

「解党して政界大再編の捨て石」となるのか

長島氏が離党の理由とした「共産党との選挙協力」を、蓮舫執行部が「政権選択選挙」と位置づけられる衆院選で強行すれば「永遠の野党を選択した」(保守派有力議員)として党分裂は避けられない。その一方で「野党バラバラで戦えば、自公圧勝阻止は不可能」(党選対)というのが厳しい現実だ。まさに「進むも地獄、退くも地獄」という民進党の窮状に「安倍1強政権の最大の"功労者"は民進党」(自民長老)との嘲笑も絶えない。

このため、長島氏の離党をきっかけに「どうせダメなら、党を解体して自民党も含めた政界大再編につなげるための"捨て石"になるしかない」(若手)との声も出る。鳩山由紀夫、菅直人両氏(いずれも元首相)らによる民主党結党から21年、2009年には日本の閉塞状況打破への国民の期待を受けて自公政権打倒に成功した「改革政党」の終着駅が「解党して出直し」というのではあまりにも救いがないのだが。

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