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「口座格差」が銀行再編を引き起こす

プリペイドにチャージした金額には金利がつかないという前提なら、急激なインフレのもとでは、チャージした分をすぐに使わないと、利用者は損をすることになる。極端な例で言えば、今日、1万円をチャージしても、物価が1週間後に2倍になってしまうとしたら、誰もプリペイドを利用しないことになる(こうしたケースでは、そもそも現金で保有すること自体にも疑問符がつく)。

つまりプリペイドは、入金分に金利がつかない場合、安心して利用できるためには「物価動向がデフレかマイルドなインフレ環境である」というのが前提となる。これは、日本はもとより、リーマンショック以降の先進国で当てはまる条件である。

低金利でさらに発揮されるプリペイドの利点

また、プリペイドが普及するためには「低金利」であることも条件として大きい。

たとえば、給与を例に考えてみよう。毎月、給与として振り込まれた金額のうち、出費する金額の一部をそのまま銀行に預けておくほうが得か、プリペイドに入金をしておくほうが得か、どっちだろうか?

銀行に預けておくケースでは、預金として口座に入れておき、そのつど現金を引き出して利用するとしよう。仮に10万円を現金で口座に預けておいても、利息はほとんどつかない。現金を引き出す際にはATMを利用するが、利用時間や利用回数によって手数料を取られることもある。

口座に入れてある現金は、引き出しさえすればどこでも利用でき、使い勝手はいい。ただ、前述したように、利息がほとんどつかない以上、預金口座には資産運用の機能はほぼない。公共料金の引き落としなど「決済機能」が主体となり、ただの「金庫」と呼んでもよい状況である。

一方、プリペイドの場合はどうか。アマゾンのようなネット通販のサービスでは、チャージする金額や方法によってはポイントがついたり、LINEが提供する「LINE Payカード」のように利用することで2%のポイントが貯まったりするサービスもある。よく利用するサービスや決済方式を知ることで、利息はつかないものの、利用する金額分はお得に使うことができる。「利息とポイントは概念が違う」という指摘もあろうが、消費することが決まっている金額については、プリペイドを利用するほうがメリットはあるといえる。

また、プリペイドカードは当初は特定のサービスにひも付いていることが多いが、たとえば「スイカ」や「パスモ」のような鉄道系プリペイドが今ではコンビニでも使えるように、さまざまな決済の利用シーンで便利に使えるようになってきているものもある。テクノロジーでもっと使い勝手がよくなれば、プリペイドの利用者はさらに増えるだろう。もしそうなれば、「預金口座にとりあえず預けておく」という状況は今後ますます少なくなっていくはずだ。

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