ディズニーの新人キャストが15分で悟る本質 この「育て方」はどんな職場でも応用できる
人を育てる時は、マニュアルを暗記させるのではなく、「こうあってほしい」という理念と、大切にすべき「行動基準」をしっかりと伝え、そのうえで判断を任せてみるのが大事なのです。
「おはよう」「おつかれさま」以外の言葉をかける
「コミュニケーション」と一口に言っても、大きく分けると4つのレベルが存在するのをご存じでしょうか。
レベル2「事実」:「あの企画書はどうなった?」など仕事上の進捗を尋ねる
レベル3「信条」:「今までにないものをつくろう」など自分のこだわりを伝える
レベル4「感情」:「不安はよくわかる」「信じている」など相手の感情に訴える
多くのリーダーは、レベル1~2のコミュニケーションしか取っていません。あいさつや事実確認で終わらず、信条や感情を共有できるリーダーに対して、メンバーは初めて心を開きます。これは、友人や恋人などあらゆる人間関係に当てはまるのではないでしょうか。
私がディズニーの商品開発部にいて、繊維雑貨を担当していた時のこと。手掛けたぬいぐるみ付きクッションや抱き枕がヒットし、幸運にも売り上げ120%増を達成し続けていたさなか、リーダーから呼ばれました。
「繊維雑貨から、化粧雑貨に担当を変わってくれないか」
化粧雑貨は、繊維雑貨よりもはるかに売り上げが小さく、見方によってはマイナス評価による担当替えともいえます。実際に私もそう感じ、大いにショックを受けました。しかし続けて、リーダーはこういいました。
「あなたは、改革心をもって仕事をし、成果を出してきた。私はきっと、化粧雑貨が繊維雑貨並みの売り上げを誇るカテゴリーへと変わると、信じています」
その日のうちに、私は化粧雑貨の店舗を見に行き、香水やアロマセラピーの勉強をするべきだと感じました。翌日は書店に行き、アロマセラピーの検定本を買って勉強を始めました。リーダーの「信条」が伝わり「感情」が動かされ、やる気に火がついたのです。
結果的に私は、化粧雑貨のヘアアクセサリーのカテゴリーにあたる「ファンカチューシャ」を開発し、定番商品へと育てることができたのですが、これもリーダーのコミュニケーション能力があってこそといえるかもしれません。
このように、レベル3~4のコミュニケーションを取ることで初めて、信頼感が増し、メンバーとの人間関係がうまく築けるようになるのです。
いつの時代も、どんな職場でも、仕事をつくるのは「人」であり、人と人とのかかわりを通じてしか感動は生まれません。組織の成長の鍵を握っているのは、「人の育て方」なのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら