スポーツ観戦は一切しない
楠木:もしかして、食べたことがないものは、積極的に食べるタイプですか?
中竹:そうですね。試合の遠征や旅行で海外に行って、そこに食べたことがないものがあれば、必ずそれを食べるようにしています。私は、初めて訪れた場所ですることが2つあり、ひとつは一般の庶民が行くマーケットに行くこと。もうひとつは、その土地のいちばん高いところへ行くことです。町全体が見下ろせるようなところですね。
楠木:食べたことがないものに積極的にチャレンジする人は、人間関係でも、あまり知らない人とコミュニケーションすることが苦にならないタイプが多いようです。中竹さんはいかがですか?
中竹:知らない人とコミュニケーションすることは好きです。
楠木:なるほど。その辺も僕と違うところですね。僕はほとんど決まったものしか食べないんです。ずっとハンバーグとかナポリタン。子どもの頃からちっとも変わっていない(笑)。そして、お互いよく知っている人としか付き合いません。中竹さんとは、ベースは共通している部分が結構あると思いますが、そのあたりは違いますね。僕にはプラネットは作れないですね。作れるとしても、やたらと小さなプラネット(笑)。
中竹:特に、今の若い人が何を考えているかに興味があります。セミナーをした後で、若い人には感想を聞きます。どこがよくて、どこが悪かったか。その理由など。若い人の反応は参考になります。
楠木:ラグビーの試合を観に行ったりすることは?
中竹:プライベートではラグビーに限らす、スポーツ観戦は一切しないんですよ(笑)。
楠木:それは意外ですね。では、ほかの指導者から学ぶといったことは?
中竹:他競技の指導者には興味ありますが、ラグビーの指導者はほとんどないのです。
楠木:今後、取り組んでみたいことは何ですか。
中竹:ほかのスポーツの監督やコーチをやってみたいですね。スポーツに限らず、ダンスチームとか、音楽の指揮者とか。指導をする仕事は続けたいと思っていて、なるべく自分にとって未知の世界のものに興味があります。また、ラグビー以外の世界の人と一緒にやらないと、ラグビーの指導のレベルも上がらないと思っています。
楠木:未知の世界が好きだからこそ、プラネットがどんどん拡張していく。僕は既知の世界でユルユルやっていくほうですが、中竹プラネットの一員として、中竹さんにとっては未知の世界を提供できるようにしていきたいですね。考えてみれば、そういう補完性がプラネット方式の本領。だからといって、放置しておいては補完性は発揮されない。「ダイバーシティ」とか言っているだけで、多様性を確保するところまではできても、その先に実際にチームを動かしていくマネジメントがないことが少なくない。中竹さんのリーダーとしてのすごみは、最大限に補完性を発揮させるところにあると思います。
(構成:松岡賢治、撮影:今井康一)
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